SDGsとファッション/アパレルの関係について
最近何かと耳にしたり目にする「SDGs」という言葉。
皆さんはどういった意味かご存知ですか?
さまざまな民間企業が一斉にこちらの「SDGs(エスディージーズ)」を掲げ始めたことによって、私たちの生活様式が少しずつ変化してきているんですよ。
そこで今回は「SDGsとファッションやアパレルの関係性」に注目。
SDGsを初めて耳にした方、目にした方のためにもわかりやすくSDGsについて解説をいたします!ぜひ最後までご覧ください♪
民間企業が取り入れ始めている「SDGs」とはいったい何?
SDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いた方もいらっしゃいますよね。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略。
日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味になります。
日本語の「持続可能な開発目標」という言葉であれば企業の説明会などでもよく掲げられていることがあるので、もしかしたら耳にしたことがある方も多いかもしれませんね。
ではそんなSDGs、持続可能な開発目標がどのように決定したのかを少し掘り下げて説明していきます。
SDGsは国連が掲げている世界共通の目標
2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標である「SDGs」
2030年までを一区切りとして、国連に参加している国が各々この「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのが全てのはじまりです。
SDGsを目標として取り入れる前にはMDGsというものが存在していました。しかし、こちらは残念ながらあまり国民にも認知されていません。
なぜかというと、それは発展途上国に向けての目標だからです。
私たちがいま住んでいる日本は先進国。発展途上国ではないので、こちらの目標については自分たちのこととしての認識が薄いのが現状。
そういった考えが他の国でも一般化していたこともあり、MDGsはなかなかうまくいきませんでした。
そこで第三者として発展途上国の目標を支援するのではなく、先進国も全員が自分たちのこととして考えられる持続可能な目標をみんなで目指そうという考えが生まれます。
なぜなら、未来は全員が共有している財産だからです。その未来を自分ごととして考え、行動するために新しく目標が必要になります。
ここまでの要点をまとめておきましょう!
①MDGs(発展途上国向け)の目標が国連で採択される
②MDGsが上手くいかない理由を考えた結果、国連の加盟国は先進国が多く他人事としてMDGsに積極的に参加はしていなかった。
③その結果を踏まえて2015年の国連サミットで「SDGs」が採択される。
④「SDGs」は国連に参加している全部の国が『自分事』として考え、2030年までに達成できるように一緒に頑張りましょうという意見にまとまる。そのゴールが「SDGs」ということ。
難しく感じる「SDGs」ですが、ひとつずつ紐解いていけばそこまで難しくありませんよね♪
では、さらにどうして民間企業へと導入されたのかをみていきましょう。
世界の目標がどうして民間企業に導入され始めたの?
2015年の国連サミットで「SDGs」を採択した2年後である2017年にダボス会議でSDGsの巨大な経済効果が発表されます。その額なんと12兆ドル!
あまりにも大きな経済効果に日本でもかなり大々的にニュースとして取り上げられました。
経済効果があるということは、その経済を回している民間企業にも効果があるということ。
つまり、2017年のダボス会議の時の経済効果の発表は、国だけではなく民間企業にも大きなメリットがあるのは一目瞭然。
ダボス会議での経済効果の発表を受けて、日本ではこの「SDGs」を民間企業でも取り入れようという積極的な動きが始まります。
その結果、今私たちが生活する中で「SDGs」という言葉を目にしたり、耳にする機会が増えたんです。
では民間企業が取り入れ始めている、SDGsの目標を詳しくみていきましょう!
持続可能な開発目標ってなに?
SDGsでは「誰も置き去りにしない」世界を目指して大きく17の目標が設置されています。
1 貧困をなくそう
(あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ)
2 飢餓をゼロに
(飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する)
3 すべての人に健康と福祉を
(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)
4 質の高い教育をみんなに
(すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)
5 ジェンダーを平等に実現しよう
(ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る)
6 安全な水とトイレを世界中に
(すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する)
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する)
8 働きがいも 経済効果も
(包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する)
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
(強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る)
10 人や国の不平等をなくそう
(各国内及び各国間の不平等を是正する)
11 住み続けられるまちづくりを
(包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する)
12 つくる責任 つかう責任
(持続可能な生産消費形態を確保する)
13 気候変動に具体的な対策を
(気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる)
14 海の豊かさを守ろう
(持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する)
15 陸の豊かさも守ろう
(陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する)
16 平和と構成をすべての人に
(持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する)
17 パートナーシップで目標を達成しよう
(持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する)
といったように大きく分けて17の目標があります。
これらを踏まえた上でファッションやアパレル業界がどのように「SDGs」と向き合っているのかをみていきましょう!
SDGsとファッション・アパレルの関係は?
さきほどSDGsの中には大きく分けて17の目標があることを確認しましたよね。
企業によってその17の目標のうちどれを選択するか、というのは自由ですが一般的には、ファッションやアパレル業界では「つくる責任・つかう責任」が重視されています。
昨今のファッション業界ではブランドものよりも、大量生産・大量消費があらゆる場面で重視されてきました。手元にある洋服も何万円もするものよりも、低価格で求めやすいものを選択する人が多いのではないでしょうか。
こういったニーズからファッション業界では、大量に生産してコストを抑えるという方法が主流になってきていました。しかし、そのためには多くの売れ残り…つまり廃棄される洋服が多いのも現実なんです。
ファッションやアパレル業界が大切にするべきSDGsはすべて
▼SDGsとファッション – アパレル業界はどう関わるべきか?
こちらのコラムでも紹介されているとおり、ファッション業界が大切にしなければいけないSDGsの目標は17項目すべてです。
ジェンダーも飢餓も貧困も、全ての人に分け隔てなくファッションは与えられるべきもので、大量廃棄は環境破壊へも繋がりかねません。
そう考えるとファッション業界がSDGsに参加するだけでも多くの経済効果があるのはわかりますよね。
アパレル業界が背負うSDGsの課題
2018年にバーバリーが服や香水などを年間41億円相当燃やしていたことが発覚し、世界的にも衣類や生産に伴う環境問題や労働問題が見直されるきっかけになった出来事がありました。
大量生産・大量廃棄はファッション・アパレル業界ではどうしてもついてまわってしまうもの。その時のトレンドや季節などの移り変わりが激しいので、消費者のニーズに全て答えていては先ほどの出来事のように高額廃棄をすることが当たり前になってしまいます。
SDGsは「持続可能な社会」を目指すための目標を掲げているので、ファッション業界もここで一度SDGs達成への道を再確認する必要があるといえますね。
ファッション・アパレルの新しいあり方「Rename」
SDGsの目標を一足先に業界へと持ち込み、新しいファッションアパレルのあり方を確立させた事業があります。
それが「Rename」
さきほど見てきたとおりファッション・アパレル業界では在庫問題が多くつきまとっており、止むを得ず廃棄…という手段をとっている企業が多いんです。
大幅な値下げはブランドの価値を下げてしまうのでなかなか出来ない…となるとどうしても廃棄は出てしまうもの。
受注生産以外だとどうしても難しいですよね。
そこで、せっかくつくられた服を捨てないように、SDGsの目標を達成できるように、新しい「Rename」という在庫解決をする事業が誕生しました。
「Rename」の商品は全て低価格
元のブランド名を表示せず、新しいタグをつけかえて「Rename」のタグを使用し新しいブランドの服へと生まれ変わることで、元のファッション・アパレル会社は在庫問題を解決し、ネームバリューを傷つけることもありません。
消費者は格安で新しい服を手に入れることができ、Renameは新しく服を生産する必要もないのでSDGsの環境問題も達成できるという全員に対してwin-winの関係をもつことできます。
ファッション・アパレル業界ではこのように新しい事業が誕生して、SDGsの目標と向き合っています。そうすることで従来のファッション・アパレル業界の廃棄・在庫処分の分の経費は大幅カット。SDGsの経済効果がきっちりと反映されていることが分かりますよね。
「Rename」についてさらに詳しく知りたい方はこちらのコラムがおすすめです。
わかりやすくポイントごとに紹介してくれているので、「Rename」の服を購入してみたい!と思った方は一度こちらに目を通してみてはいかがでしょうか。
洋服のリサイクルはSDGs達成のために今後普及していく
不要になった洋服をインターネットを通じて提供しているサービスは先ほど紹介した「Rename」ばかりではありません。
子供服専門の事業、女性向け、男性向けなど、徐々にSDGs達成のために自社サービスを通じて貢献している事業が増えてきています。
こちらのサイトでも細かくSDGsとアパレル業界の関係について紹介しています。
これらからわかるように、アパレル業界・ファッション業界はSDGsの目標達成のために大きな影響のある事業です。
そのことをふまえると、消費者である私たちもファッションやアパレルを「自分のこと」として捉えていくことで全員でSDGsを達成できるようになるのではないでしょうか。
SDGsとファッション・アパレル業界のまとめ
いかがでしたか?
関わりがないと思っていたSDGsとファッション・アパレル業界。
実はかなり深く関わっていたことが分かりましたよね。
私たちの未来のためにもSDGsの目標は「自分のこと」として捉えることが大切です。
今回のことをふまえて新しいファッション・アパレルのあり方を受け入れて、ひとりひとりが目標達成のために少しだけいつもと違うところから洋服を購入することを検討してみてはいかがでしょうか。
《参考サイト》
▷FINE