2021.02.12

SDGsの目標12とは?意味や事例について解説します

大量生産・大量消費。

私たちの生活の中では、食品や洋服などがいわゆるプチプライスという安価で手に入りますよね。
ですが、実はそんな大量生産と大量消費が問題視されているのをご存知ですか?

 

そこで今回は「SDGsと目標12~つくる責任 つかう責任~」についてピックアップ★

「SDGsについて」「SDGsの目標12について」「目標12が問題視されている背景」「取り組み事例」の4本仕立てでお送りいたします。

ぜひ最後までご覧ください♪

 

1 SDGsと目標12「つくる責任 つかう責任について」


SDGsとは、「Sustainable development Goals(サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると“持続可能な開発目標”という意味になります。

 

2015年の国連サミットで採択されたSDGsは、国連加盟国全てがSDGsに掲げられている目標を2030年までという期間を設けて達成できるように全員で協力して取り組みましょうという内容となっています。

 

このようにSDGsは日本だけの問題でも目標でもありません。

まずここで覚えておくべきポイントは『SDGs=世界共通の目標』だということです。

 

MDGsが基盤にあるSDGsの目標

 

SDGsが採択される以前は、開発途上国向けにMDGsという目標が設定されていました。

しかし、先進国が積極的に取り組まなかったこともありMDGsは満期を迎え、目標達成には程遠い結果を残してしまいました。

 

そこでMDGsの反省をしていると、

・MDGsに含まれている目標は全員で取り組むべきものだ

・先進国も今後の地球のために、将来のために、持続可能な開発目標を設けて全員で達成するべきだ という考えが生まれます。

 

そこから「SDGs」が採択される流れになりました。

つまりSDGsの目標はMDGsが基盤になっており、さらに先進国も含めた目標を新たに加えたものとして設定されているということになります。

 

そして新たに設定されたSDGsでは「誰も置き去りにしない世界」を目指して大きくわけて、17の目標が設置されています。

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

SDGs 目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲットとは?

SDGsの17個の目標のうちの12番目にあたる「つくる責任 つかう責任」

 

これは開発途上国向けの内容から、日本でも問題視されている内容まで幅広くターゲットが決められています。

 

SDGs12「つくる責任 つかう責任」

No

ターゲット

1

開発途上国の開発状況や能力を勘定しつつ、持続可能な小人生産に関する計画から10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。

2

2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

3

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

4

2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

5

2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

6

特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

7

国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。

8

2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

a

開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。

b

雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

c

開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

 

2 目標12「つくる責任 つかう責任」が必要な理由は?

ではなぜSDGsの目標の中に「つくる責任 つかう責任」が設けられているのでしょうか?

その理由である、世界の大量生産の結果と現状について目を向けてみましょう。

 

①食品ロスの問題は年々問題視されている

食品ロスとは、まだ食べられる食材を廃棄してしまうことをいいます。

たとえば

①大量に購入したが消費しきれずに廃棄する

②作り過ぎてしまった分の食べ残し

③野菜の皮を必要以上に厚くむく、野菜の葉っぱを捨てる など…

調理や保存状態を改善すれば、食べれた食材のことを指します。

 

さらに、日本の食品廃棄物などは年間2842トンあるといわれています。

その中でも食べられるのにも関わらず廃棄にまわる「食品ロス」の量は年間646トン。

この数は世界が開発途上国に援助している食べ物の390万トンよりもはるかに大きい数字です。

 

それだけの量の食事を捨てていると考えるとわからない…という方は身近なもので考えてみましょう。

この膨大な数字を国民一人当たりで換算すると、“お茶碗1杯分の食べ物が毎日”捨てられていることになるんです。

 

そう考えると私たちは普段いかにもったいないことをしているかがわかりますよね。

そのもったいないことをしているのが、日本を含め世界の食品ロスの現状なんです。

 

②食料を廃棄しているのにも関わらず飢餓の可能性がある


現在は大量生産・大量消費が主流の世の中ですが、このままいくと先進国に住んでいる日本でも飢餓に苦しむ可能性が出てきます。

 

このままの食糧需要ペースで進んでいくと、2050年に人口が96おくんんに達した際に約20億人もの人たちが飢餓に苦しむ可能性があるんです。

 

日本で食卓に並んでいる食材の6割は、海外輸入のものがほとんど。

つまりこのままの勢いで食材を消費して廃棄していくと、私たちの生活が今後大きく変わってくる可能性があるということになります。

 

③ファッション業界も悪影響を与えている

大量生産・大量消費による悪影響は、食品ロスなどの飲食関係だけではありません。

私たちの生活の上で欠かせない衣服にも関わってきます。

 

アクセサリーや洋服を生産、販売しているファッション業界では「つくる責任・つかう責任」が問題視されているんです!

 

昨今のファッション業界ではブランドものよりも、大量生産・大量消費があらゆる場面で重視されてきました。

 

シーズンごとにかわるトレンドに合わせて洋服を購入するとなると、どうしても安くて品物がいいものに手が伸びてしまいますよね。

 

手元にある洋服も何万円もするものよりも、低価格で求めやすいものを選択する人が多いのではないでしょうか。

 

こういったニーズからファッション業界では、大量に生産してコストを抑えるという方法が主流になってきていました。

 

その結果、ファッション業界は世界中の生産業の中で3番目に水や空気に悪影響を与えていると指摘されてしまいます。さらに問題は自然環境だけではなく、生産者の労働環境など「つくる責任 つかう責任」の他にも、SDGsとは切っても切り離せません。

 

3 日本で行われている「つくる責任 つかう責任」の取り組み事例

①ペットボトルのリサイクル

誰もが一度は足を運んだことがある大手コンビニ「セブンイレブン」を運営しているセブン&アイ・ホールディングスでは、店頭でペットボトルを回収し資源を循環させる取り組みを行なっています。

 

また、このペットボトル回収を行うとセブンイレブンやイトーヨーカドーなどで使える電子マネーnanacoにポイントが貯まるような工夫もされているんです。

 

このようにペットボトルのリサイクルなどをして、無駄にペットボトルを製造せず今ある資源を再利用する取り組みなどをセブン&アイホールディングスをはじめ、さまざまな企業などで取り入れられています。

 

みんなで取り組むペットボトルの完全循環

 

②服のリサイクル

ヒートテックやウルトラライトダウンなど人気商品をいくつも開発販売している「UNIQLO」では服のリサイクルに力を入れています。

 

・環境にも人にもやさしい服づくり

・気なくなった服を回収し、難民などの服を必要としている人たちに届ける「全商品リサイクル」の導入

 

UNIQLOの他にも、大手ファッション店で在庫過多のため余ってしまった新品の商品をタグだけをつけかえて販売するという方法を取り入れている企業もあります。

 

つくる服の数を減らし、廃棄するのではなく再利用することで、SDGsの目標達成に向けて取り組むなど、ファッション業界でもリサイクルといった観点は大切にされています。

 

服のチカラで世界を笑顔にーリサイクルで難民支援ー

 

③パッケージを改善してSDGsの目標達成に取り組む

ネスレ株式会社が販売しているキットカットは、パッケージをプラスチック製ビニール袋から紙袋へと変更しました。

食品以外にも製造段階で問題視されている有害物質やプラスチックゴミ削減のために、パッケージの見直しをしました。

 

このように世界各国でも、SDGs目標達成のためにパッケージフリーやプラスチックフリーといった取り組みが行われています。

 

プラスチックごみの問題に取り組み、みんなが考えるきっかけに~「キットカット」の外袋を紙の包装へ~

 

④計り売りをして過度な食品ロスを削減する

最近ではあまり見かけなくなったお肉やお惣菜の計り売りですが、SDGsの食品ロス削減という目標を受けて再び「計り売り」が注目されています。

必要な量を必要な分だけ自分でよそることによって、過度な買い込みを抑える効果があるといわれています。

 

さらにパッケージフリーなどと一緒に取り入れることで、環境にやさしいサスティナブルな活動としても注目されているんですよ。

 

4消費者であるわたしたちも“つかう責任”に注意しよう

いかがでしたか?

それでは今回のおさらいです。

【SDGsと目標12~つくる責任 つかう責任~について】

・SDGsとは?

・目標12が注目される理由

・SDGs目標達成のために取り組んでいる事例 について紹介しました。

 

今回紹介したほかにも、もっとたくさん「SDGsの目標12」について知りたいという方はこちらのサイトもおすすめはこちらからチェックしてみてくださいね。

 

目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

こちらのサイトでは、今回紹介したSDGsの目標12のターゲットをまとめられています。

ふとした時に、気になった時に、ブックマークしておいたりしておくと役に立つのでおすすめです。

 

SDGsの目標:12 つくる責任 つかう責任

こちらのサイトでは、食品ロスの現状をベースにSDGsの目標12についてまとめられています。

さらに私たちができることとについてなども紹介されているので、今私たちにできることを知りたい場合にはおすすめのサイトです。