2021.03.10

SDGsの目標12のための取り組み事例を紹介します【企業編】

私たちの生活する上で欠かせないものといえば「衣食住」ですよね。

そんな衣食住の中で「衣食」に関する問題について目を向けたことはありますか?

 

そこで今回は「SDGsと目標12~つくる責任 つかう責任~」についてピックアップ★

「SDGsとはなにか」「SDGsの目標12について」「SDGsの目標12に取り組んでいる企業」について紹介いたします。ぜひ最後までご覧ください♪
 

1 SDGsってなに?つかう責任って?


SDGsとは、「Sustainable development Goals(サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると“持続可能な開発目標”という意味になります。

 

2015年の国連サミットで採択されたSDGsは、国連加盟国全てがSDGsに掲げられている目標を2030年までという期間を設けて達成できるように全員で協力して取り組みましょうという内容となっています。

 

SDGsの目標はすべてで17個ある

SDGsの目標はMDGsという開発途上国向けの目標が基盤になっています。

このMDGsはSDGsを採択する以前に設けられていた目標で、MDGsが失敗したことを受けてSDGsが新しく採択されることに決まりました。

 

このMDGsの失敗を受けて、SDGsでは先進国も含めた目標を新たに加えたものとして設定されているのがMDGsとの大きな違いです。

 

そして新たに設定されたSDGsでは「誰も置き去りにしない世界」を目指して大きくわけて、17の目標が設置されています。

 

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

SDGs 目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲット


SDGsの17個の目標のうちの12番目にあたる「つくる責任 つかう責任」

これは開発途上国向けの内容から、日本でも問題視されている内容まで幅広くターゲットが決められています。

 

SDGs12「つくる責任 つかう責任」

No

ターゲット

1

開発途上国の開発状況や能力を勘定しつつ、持続可能な小人生産に関する計画から10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。

2

2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

3

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

4

2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

5

2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

6

特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

7

国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。

8

2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

a

開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。

b

雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

c

開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

 

2 目標12「つくる責任 つかう責任」はどうして重要なの?

ではSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」がどうして重要なのかについてここで少し世界の現状や日本の現状について目を向けてみましょう。

 

①寄付している食料より捨てている食料の方が多い!?

 

SDGs目標12のターゲットのなかに「食品ロス」というキーワードが入っています。

食品ロスとは、まだ食べられる食材を廃棄してしまうこと。

 

たとえば

①大量に購入したが消費しきれずに廃棄する

②作り過ぎてしまった分の食べ残し

③野菜の皮を必要以上に厚くむく、野菜の葉っぱを捨てる など…

調理や保存状態を改善すれば、食べれた食材のことを指します。

 

普通に考えてももったいないなと思いますよね。

しかし、この食品ロスは飲食業界だけではなく家庭ゴミからも多く出ているのが現状なんですよ。

 

実際に、日本の食品廃棄物などは年間2842トンあるといわれています。

その中でも食べられるのにも関わらず廃棄にまわる「食品ロス」の量は年間646トン。

この数は世界が開発途上国に援助している食べ物の390万トンよりもはるかに大きい数字です。

 

私たちや他の国が開発途上国に頑張って援助している食べ物の量よりも、日本内だけで廃棄される食料の方が倍近くあると思うと問題だと思いませんか?

そしてもったいないと思いませんか?

 

こういった食品ロスの問題について考えるためにも、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」として、生産者や販売者だけではなく消費者も積極的に取り組む必要があります。

 

②飢餓の危険性がある

現在は大量生産・大量消費が主流のため、24時間営業しているスーパーへ足を運んでも大量の商品が置いてありますよね。

 

しかし、このまま「SDGsの目標12」を無視して過ごしていくと、この生活が続けられなくなる可能性があるんですよ。

 

現在の勢いのまま食糧需要ペースで進んでいくと、2050年に人口が96億人に達した際に約20億人もの人たちが飢餓に苦しむ可能性があると発表されています。

 

日本で食卓に並んでいる食材の6割は、海外輸入のものがほとんど。

スーパーでも海外産の商品は多く並んでいますよね。

 

つまりこのままの勢いで食材を消費して廃棄していくと、私たちの生活が今後大きく変わってくる可能性があるということになります。

 

③ファッション業界の環境問題

私たちの生活の上で欠かせない衣服も「つくる責任 つかう責任」が関わってきます。

 

今のファッション業界ではシーズンごとにかわるトレンドに合わせてたくさんの洋服が市場に出回りますよね。

その際にシーズンごとに高い服を買う方よりも、安価な服を買う方の方が多いのではないでしょうか?

 

こういったニーズからファッション業界では、大量に生産してコストを抑えるという方法が主流になってきていました。

 

その結果、ファッション業界は世界中の生産業の中で3番目に水や空気に悪影響を与えていると指摘されてしまいます。さらに問題は自然環境だけではなく、生産者の労働環境など「つくる責任 つかう責任」の他にも、SDGsとは切っても切り離せません。

 

3 企業が取り組んでいる「目標12:つくる責任 つかう責任」に対しての事例

①パナソニック

誰もが名前を聞いたことがある大手企業「パナソニック」でもSDGsの目標12に対しての取り組みが行われています。

 

・製品の耐久性を高めることで、故障や早期の買い替えを防ぐ

・その結果、消費~生産のリサイクルを遅らせる といった取り組みを中心に活動しています。

 

電化製品をはじめとしたさまざまな商品を販売するパナソニックでは、過度な生産を控えて「つくる責任」に対して向き合っているんですよ。

 

②ユニクロ

人気商品をいくつも開発・販売している「UNIQLO」では服のリサイクルに力を入れています。

 

・環境にも人にもやさしい服づくり

・気なくなった服を回収し、難民などの服を必要としている人たちに届ける「全商品リサイクル」の導入

・リユースできない服は、燃料や防音材として加工・リサイクルする といった取り組みを行なっています。

 

つくる服の数を減らすだけではなく、消費者の廃棄しそうになっている洋服を引き取り必要な方に届けるといったリサイクル方法は、ユニクロ独自のもの。

 

SDGsの目標達成に向けてファッション業界の先駆けとして、積極的に取り組んでいる企業です。

 

服のチカラで世界を笑顔にーリサイクルで難民支援ー

 

③セブン&アイ ホールディングス

誰もが一度は足を運んだことがある大手コンビニやイトーヨーカドーを運営しているセブン&アイ・ホールディングスでは、

・店頭でペットボトルを回収し資源を循環させる

・消費者が必要な分だけ購入できるバラ売りを採用する

・店舗から出た廃棄物を肥料化し、その肥料を利用して作った野菜や果物を店舗で販売する といった取り組みを行なっています。

 

さらに独自の物流ルートを活用することによって、効率的な輸送が可能になり、結果としてCO2削減にも貢献している企業です。

みんなで取り組むペットボトルの完全循環

 

④TABETE

TABETEは廃棄の危機にある食事を必要な消費者が購入できるWEBサービスを提供しています。

今までにはなかったようなサービスですよね!

 

まだ美味しく食べられるけど、閉店時間や賞味期限などの理由から食品ロスになっていまいかねない食材をTABETEに登録しているユーザーが救いをかけるといった内容になっています。

 

消費者も生産者も、地球環境にもよいということで注目されているWebサービスを提供しているんですよ♪

 

フードロスを救うヒントはフードシェアリングサービス「TABETE」にあった!

 

4ひとりひとりにある“つかう責任”


いかがでしたか?

それでは今回のおさらいです。

【SDGsと目標12~つくる責任 つかう責任~について】

・SDGsとは?

・目標12が注目される理由

・SDGs目標達成のための企業の取り組み事例 について紹介しました。

 

今回紹介したほかにも、さらに企業や団体の取り組みについて知りたいという方はこちらのサイトもおすすめです。

 

SDGs12の取り組み事例4選!製品デザインとビジネスモデル

こちらのサイトでは企業のできる取り組みについてまとめられています。

さらに企業がどのようにSDGsを取り入れていけばいいのかなどがまとめられているので、企業側の目線から客観的に考えてみたいという方にはおすすめのサイトです。

 

SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」の実際に行われている取り組み3選

こちらのサイトでは実際にSDGsの目標12に取り組んでいる企業や自治体、プロジェクトなどを中心にまとめられています。

さらにSDGs目標12の課題などについてもふれられているため、もっと掘り下げてSDGsのに目標12について調べたい方にはおすすめのサイトです。

 

企業ができる取り組みとは:SDGs目標12『つくる責任つかう責任』

こちらのサイトでは、日本がどのように世界から評価されているのかを考えた上で、現在の日本の課題やその課題と向き合っている企業の取り組みなどについてまとめられています。

日本の評価が気になる方はこちらのサイトを参考にしみてくださいね。