2020.11.11
サスティナブルシーフードにはどんな食べ物があるの?事例とともに紹介します
多くの企業がサスティナブルな取り組みを実施している昨今。飲食店もその流れに合わせて環境に配慮した取り組みをしているんですよ♪
そして、そんな飲食店を後押しするように登場したのがサスティナブルシーフード!
今回はサスティナブルについて、そしてサスティナブルフードについてご紹介します。
■サスティナブルとは持続可能性を示す言葉
サステナブル(Sustainable)は、sustain(持続する)とable(~できる)が合わさった言葉。
「持続可能な~」という意味があり、現代の国際社会では、環境保全や経済、人間社会など、あらゆる分野を平等に考慮した、未来に渡って続けられる活動のことを指します。
〇サスティナブルな社会
サスティナブルを説明する上で欠かせないのが「サスティナブルな社会」。サスティナブルな社会は、地球環境の保全と人の暮らしの豊かさを両立するもの。
未来の地球でも安心して暮らせる平和な社会=サスティナブルな社会の実現は、国際社会が目指すものとして、SDGs(エスディージーズ)にも深く関係しています。
▼SDGsについてはコチラをチェック!
・ノハム|SDGsをわかりやすく丁寧に教えるサイト
■魚介類にもサスティナブルが求められている!
マグロやウナギが食べられなくなるかもしれないというニュースを見たことがある方は多いかと思いますが、スーパーマーケットでも販売されていますし、お寿司屋さんでも食べることができ、実際に私たちの暮らしに影響は感じません。
▼日本と世界のサスティナブルに対する温度差
・FUTURE IS NOW|目利きたちの解答から、未来の定番を探りました。
しかし、寿司ネタで人気の太平洋マグロは2014年以降にIUCN(国際自然保護連合)が絶滅危惧種に指定しているほか、水産庁の『平成28年度 我が国周辺水域の資源評価』によると、漁獲可能量制度の対象魚種のうち50魚種84系群が枯渇していると評価されています。
その理由はどこにあるのでしょうか?
〇過剰漁業と違法漁業
魚介類をはじめとする水産資源は、漁獲されて初めて人の所有物になるという決まりがあり、また、水産資源は限りがあるので先に取った漁獲者が優位に立ちます。自然な形での再生能力を上回る過剰漁業は大幅な資源の低下を招くことに。
過剰漁業に加え、違法漁業による乱獲が行われた場合、そのダメージはより大きくなります。
〇食品ロス
漁獲された魚が全て市場に出るとは限りません。
規格外をはじめ、さまざまな理由で食べられるのに廃棄されてしまう魚はたくさんあり、いわゆる「食品ロス」が頻繁に行われている状態です。
味は変わらないのにもったいないですよね。
でも、最近では、こうした魚を買取り格安で料理を提供する飲食店も登場しました!
▼サスティナブルレストランについて
・ノハム|サスティナブル・レストランの評価基準を満たした店舗を紹介!【日本編】
〇マイクロプラスチックによる影響
SDGsでも問題となっているプラスチックの環境への影響。この影響を一番に受けているのが海であり、海に生息している生物です。
ポイ捨てされたプラスチックごみは風や雨などによって、その多くが海に辿り着き漂う海洋プラスチックごみとなるのをご存知ですか?
海洋プラスチックごみは年間800万トン出るとされており、2050年には海の生物よりも海を漂うプラスチックの方が多くなると予想されています。
プラスチックごみは海の中で劣化していき5ミリ以下のマイクロプラスチックに!
海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックは、海の生物がエサと間違えて食べてしまうことも報告されています。
ウミガメがクラゲと間違えてレジ袋を食べてしまうことは大きな話題になりましたよね。
プラスチックを消化することはできないので、消化器官に詰まってしまうと排泄ができなくなり命を落とすリスクが大幅に上がります。
〇地球温暖化
地球温暖化は海水の温度も上昇させます。沖縄のサンゴの白化がニュースとなったように、海水の温度上昇は多くの生物に影響を与えるほか、本来なら日本にいるはずがない生物が上陸するなど生態系を狂わせる可能性も。
■サスティナブルフードで水産資源を守ろう!
水産資源の危機的状況を迎えていると言っても過言ではない現代において、小売店・飲食店・消費者が海洋環境に配慮することはとても大切なことです。
そこで生まれたのがサスティナブルフード。
サスティナブルシーフードとは |
海洋環境に配慮された漁業で獲られた魚介類のこと。 |
サスティナブルシーフードは、イギリスが始まりとされています。
国民食である「フィッシュ&チップス」で使用されているタラが激減したことで危機意識が広がり、サスティナブルシーフードに発展したようです。
〇水産物認証エコラベル
サスティナブルシーフードには、それを示す認証や基準があります。なかでも、国際機関GSSI(Global Sustainable Seafood Initiative:世界水産物持続可能性イニシアチブ)の認定を受けている水産物認証として世界的に有名なのがMSCです。
MSCが発行する水産物認証エコラベルは国際的なラベルとなっています。
▼水産物認証エコラベルについて詳しくはコチラ
・SUSTAINABLE JOURNEY|海洋環境にやさしく、おいしい!サステナブル寿司の世界【前編】
■サスティナブルシーフードの取り組み事例
サスティナブルシーフードは欧米の飲食店を中心に広がりを見せています。
なかでも注目されているのが、「全米で最も住んでみたい都市」としても有名なオレゴン州ポートランド市にある寿司屋『Bamboo Sushi』です。
Bamboo Sushiは、寿司屋として初めてMSC認証の水産物を使用。
環境に配慮したコンセプトが話題となり人気店に!
世界中の海洋生物の種類や、その漁法、捕獲可能な数まで考慮して決めているというメニューはサスティナブル寿司というジャンルを確立し、人気レストランが集まるポートランドにおいて新たなビジネスも開拓しました。
こちらのお店で食べられるお寿司は、日本人好みの伝統的なスタイルのものを中心に外国人受けが良いと日本の店でも提供されているカリフォルニアロールや、おしゃれなイタリアンまで、さまざま魚介料理を堪能できます♪
工夫を凝らしたメニューの開発は、7~8人のどの寿司職人が社内提案し、みんなで試食。
おいしいものだけを提供しているとのこと。
カウンター越しに魚を捌き、寿司を握る様子は日本の高級店のよう。
ポートランドに行く機会があったら是非寄ってみて欲しいレストランのひとつです。
■サスティナブルシーフードについてのまとめ
今回はサスティナブルシーフードにスポットを当ててご紹介しました。海洋環境の悪化は、私たちの生活や体に大きな影響があることが分かりましたね!
サスティナブルシーフードは、現状を改善する上で大切な取り組みです。
【この記事でご紹介した内容】
- サスティナブルとは
・サスティナブルな社会の実現 - サスティナブルが漁業に必要な理由
- サスティナブルシーフードについて
・水産物認証エコラベルとは - サスティナブルシーフードの取り組み事例
現代の国際社会が取り組むサスティナブルはあらゆる分野に及びます。
みなさんも是非、サスティナブルな社会の実現に向けて行動をしてみてください★
以上、『サスティナブルシーフードにはどんな食べ物があるの?事例とともに紹介します』でした!