2020.11.10
SDGsに貢献できるオーガニック食品とは?
どちらも生活に取り入れているという方も多いのでは?
実はSDGsとオーガニックには深い繋がりが・・・!
おいしい食材を食べたりアイテムを使用したりしているだけで国際社会が取り組んでいるSDGs活動の支援ができるって素敵ですよね♪
今回はSDGsとオーガニックについて掘り下げていきます。
■SDGsとは2030年の世界に向けて取組むべき課題目標
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年9月に国連のニューヨーク本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」にて採択された国際目標です。
現在の国際社会が取り組むべき課題を解決するために、人・環境・社会に関する17の目標と169のターゲットで構成されています。
SDGsの目標 |
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▼SDGsが定める目標とターゲットについて詳しくはコチラ
・ノハム|SDGsの目標とターゲットまとめ!ロゴと共に紹介します
SDGsを簡潔にまとめると以下のような世界を目指しているといえます。
- 貧困や飢餓がなく仕事が平等にある
- 老若男女問わず平等でLGBTへの差別もない
- みんなが仲良く戦争や争いのない安心して暮らせる世界に
- ステキな街や町を維持しよう!
- 地球の環境を大切に!
- 環境を考慮しつつ経済や生活の豊かさも発展させよう!
なかなか難しい目標にも感じますが、SDGsの目標とターゲットを2016年~2030年までの15年間で達成することを目指し各国がSDGs活動に取り組んでいます。
▼SDGsについて詳しくはコチラをご覧ください。
・ノハム|SDGsが私たちの生活に与える影響と取り組みを紹介します!
■オーガニックとは
オーガニックという言葉は、カフェやレストランで見聞きすることが多いですよね。
みなさんはオーガニックにどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「化学農薬を使わない」
「自然なもので環境や体に優しい」
「安全性が高い」
メリットとして、いろいろなイメージをお持ちかと思います。
もともとオーガニックは「有機栽培」された食材や原料のことを指していて、国際有機農業運動連盟(IFOAM)では、「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を原則としています。
有機栽培とは |
化学肥料や農薬に頼らず、自然にある動植物の物質を肥料とする栽培方法のこと。 |
オーガニックを定義付ける4つの原則についてご紹介します。
〇4つの原則
原則 | 内容 |
生態系 | 生物とその生息地を1つの部屋と捉え、その部屋のなかで起こる動的な相互作用のことを指します。微生物をはじめ、植物は栽培される場所で暮らすさまざまな生物と協力し合って成長するものです。そういった相互作用を壊さないことがオーガニックに求められています。 |
健康 | IFOAMでは、健康を「身体的・精神的・社会的・生態的に満たされた状態である」と定義しています。私たちが健康を保つためには健康な食べ物が必要であり、そのためには健康な自然環境が無ければなりません。 |
公正 | 消費者と生産者、人と動物。オーガニックに関わるすべてのものが公正でなければなりません。オーガニックコスメ認証団体が動物実験を禁止しているのもこの原則があるためです。 |
配慮 | 単に生産性や効率を上げるために技術を使用するのではなく、全ての命がよりよく生きられるよう配慮された技術のみを使おうという考え。 |
自然の恵みを活かして栽培されているオーガニックですが、他にも「無機栽培」や「無農薬」など、自然な栽培方法をしているとイメージできるものがいくつかあります。
それぞれがオーガニックとどのように違うのかを見ていきましょう!
〇無機やボタニカル、無農薬との違いは?
栽培方法 | 定義 |
無機栽培 | 無機質成分の肥料を使用した栽培方法であり、化学肥料は使用。 |
ボタニカル | 植物由来の成分を配合している製品であることを意味しています。オーガニック製品とは違い、植物由来成分が1つでも含まれていればボタニカルと名乗ることが可能です。 |
無農薬栽培 | 農薬を使用していない栽培方法のこと。 |
■オーガニック認証について
オーガニック認証は、製品がオーガニックと名乗るうえで必要な第三者による認証機関。
この認証を受けたものが、私たち消費者にオーガニック製品として届けられます。
私たちが目にすることが多いのが、太陽と雲、そして植物をモチーフにした『有機JASマーク』で、これは、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然の恵みを使って栽培した農産物・加工食品などであることを示すマークです。
ちなみに、日本にあるオーガニック登録認証機関は農林水産省で確認することが可能です。
▼日本のオーガニック認証機関一覧
・農林水産省|有機登録認証機関一覧
日本だけでなく海外にもオーガニック認証機関は存在しています。
基準は異なりますが、人とその他の生物、そして環境に配慮している点は変わりません。
■オーガニックが必要とされている背景
オーガニックが注目を集めている理由はどこにあるのでしょうか?
国連は、2014年に世界食料農業白書のなかで、「環境への悪影響は、高度な集約型農業システムが限界にきていることを示している」と明記しており、現代の農業の在り方について変化の必要性を述べています。
現代の農業の問題点とオーガニックが生まれた背景をご紹介します。
〇現代の農業の問題点
IOB Journal|食こそがSDGs中心テーマだ〜エビデンスを持って解説!SDGs全項目達成を叶えるオーガニックの真の姿とはによると、現代の農業が抱える問題は「気候変動を招くこと」、「環境を壊すこと」、「ジェンダー格差」の大きく3つです。気候変動 | 温室効果ガスの排出量の1/4以上が、農林水産業によるもの。農地などの開発で森林伐採を実施していることも原因とされています。 |
環境破壊 | 農薬や化学肥料による生物の大量死、そして無理な生産活動による土壌の劣化、そして淡水使用量の70%を占めると言われる農業が水不足を招いているとの声も。 |
ジェンダー格差 | 開発途上国における農業従事者の2/3が女性であり、年々増加傾向が見られます。そういった女性の多くは1日2ドル以下で生活している貧困層で、社会的立場の低い弱者となっています。 |
〇オーガニックが注目されている背景
現代に生きる私たちが直面している問題は、実は1940年代に指摘されています。それを明記しているのが「Look to the Land(大地に目を向けて)」。
著者は「有機農業の父」とされているWalter James(ウォルタージェームス)氏。
ウォルターは著書を通して、過剰消費・大量廃棄・環境汚染・生物多様性の低下など、あらゆる問題を招く結果につながった社会・経済・農業の在り方を批判しています。
Look to the Landはオーガニックムーブメントを呼び、その後1972年に国際有機農業運動連盟(IFOAM)の設立、そして昨今の環境や生物、社会を考慮した有機栽培の必要性が浮き彫りになりました。
■SDGsとオーガニックの関係
オーガニックとSDGsについてご覧いただきました。
人や環境に配慮している点が共通であることが分かりましたね♪
オーガニックがSDGsのどの目標と関わりがあるのかというと、目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標12「つくる責任、つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、そして目標15「陸の豊かさも守ろう」の6つです。
ここでは、それぞれどのように関係しているのかを詳しく解説します。
▼関連サイト
・特定非営利活動法人 日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会|オーガニックは楽しい!
〇SDGs目標2「飢餓をゼロに」との関係性
SDGs目標2は飢餓に関する目標です。飢餓は経済的な理由のみならず、環境に左右されやすい職業で従事している労働者が多い国でも見られるなど開発途上国を中心に深刻な問題となっています。
▼目標2の世界の状況と取り組みについてはコチラ
・ノハム|SDGsの目標2とは?意味や事例について解説します
オーガニックは、これまで見て頂いた通り4つの原則が存在し、生態系や環境など、その地域にあった生産と加工をしているため、モノカルチャー経済を原因とする飢餓の発生を抑えるといった効果が期待されています。
〇SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」との関係性
日本でも多くの飲食店がオーガニック食材を使用していることからも分かるように、化学物質を使わないオーガニック食材は生態系の健全性が向上するため体に優しく健康的!▼SDGs目標3の日本と世界の状況について詳しくはコチラ
・ノハム|SDGsの目標3とは?意味や取り組みについて解説します
オーガニックは人だけでなく、全ての生物の健康に貢献していると言えますね♪
〇SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」との関係性
水とオーガニックは関係が無さそうに思えますが、実はオーガニックは水質にも影響が!化学肥料などを使って栽培されている施設と異なり、有機栽培している施設からは環境にダメージを与える化学物質や硝酸態窒素がほとんど排出されません。これにより、地下水や河川、そしてそれらが繋がる海の生態系や環境を維持、保全することが可能となります。
〇SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」との関係性
オーガニック製品は、生産・加工に至るまで自然循環機能を活用しています。そのため、各項目で資源やエネルギーを無駄に使用することはありません。
もちろん生産や加工だけでなく、流通や販売、消費までの一連の流れがオーガニックの考えに沿って変化しています。
〇SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」との関係性
自然循環機能を活用することで、プラスチックをはじめとする使い捨て資源の低減、食品廃棄物の堆肥化(たいひか)など多くのメリットがあるオーガニック製品は、さまざまな方法によって生産・加工をする現場からの温室効果ガスの排出抑制を進めています。〇SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」との関係性
化学肥料を使った農場に比べ、オーガニックの田畑は多くの生物や植物が生息しているため、生物多様性の維持と保全に貢献しています。■SDGsとオーガニックの関係性まとめ
SDGsとオーガニックの関係性についてご紹介しました。【この記事でご紹介した内容】
- SDGsとは
- オーガニックとは
・オーガニックを定義付ける4つの原則
・有機、ボタニカル、無農薬との違い - オーガニック認証について
- オーガニックが必要とされている背景
・現代の農業が招いている問題
・オーガニックの背景 - SDGsとオーガニックの関係
・目標2との関係
・目標3との関係
・目標6との関係
・目標12との関係
・目標13との関係
・目標15との関係
オーガニックは日本におけるブランド価値向上の役割も!
多くの企業がイメージアップやビジネスのための社会貢献と紐づけてSDGsに取り組んでいる今、より多くの飲食店や小売店がオーガニック製品を取り入れることが予想されます。
まだオーガニック製品に触れたことが無いという方は、ぜひ一度お試しください★
以上、『SDGsに貢献できるオーガニック食品とは?』でした!