2021.04.19

サスティナブルな建築物に対してもらえる補助金とは?【木造先導型】

5.ジェンダー平等を実現しよう

「木造の建築物」に対してどのようなイメージを持ちますか?

「古臭い」「危ない」「安そう」などあまりいいイメージを持っていない方が多いのではないでしょうか。
 

そこで今回は【サスティナブルな建築物〜木造先導型〜】に焦点を当てていきます!

「サスティナブルって?」「木造先導型のサスティナブル事業」「地域住宅グリーン化事業」など、補助金を絡めてご紹介していきます。

今後住宅を購入する予定のある方必見!補助金を一挙紹介しているサイトもあわせて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください♪
 

1サスティナブルってなに?SDGsに貢献してるって本当?

まずはじめにサスティナブルな建築物とは何かを理解するためにも、「サスティナブル」というキーワードが注目されるきっかけになった「SDGs」について確認していきましょう!

 

「SDGs」は私たちの今後の生活を左右する“世界共通の目標”

「SDGsとは、Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」であり、サスティナブル事業の「サスティナブル」も同様の意味を指します。

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標で、2030年までという期間を設けて、先進国だけではなく国連に参加している先進国もあわせて193カ国がこの目標を達成しようと決定したのが「SDGs」のはじまりです。


「SDGs」がここまで認知されるまでには紆余曲折ありました。
 

そもそもSDGsを目標として採択する前にはMDGsというものが採択されていたんです。
しかし、MDGsという言葉をあまり耳にしたことはありませんよね?
それもそのはずで、MDGsは開発途上国向けの目標だったため、残念ながら日本でもあまり認知されていなかったんです。

 

日本は開発途上国ではないので、MDGsの目標については「自分たちのこと」としての認識が薄い傾向に…
さらに、その傾向は日本だけではなく他の先進国も同様でした。

 

「MDGsは自分たちには関係ない」といったような考えが他の国でも一般化していたこともあり、MDGsは良い成果を残せないまま最終的に期限を迎えてしまいます。
そんな苦い失敗を受けて、国連では「第三者として発展途上国の目標を支援するのではなく、先進国も全員が自分たちのこととして考えられる持続可能な目標をみんなで目指そう」という考えが生まれます。

そんな想いから「SDGs」が誕生します。

MDGsの目標設定をふまえて、SDGsの目標が設定されているため中には日本人にとって「え、これって必要なの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、繰り返しにはなりますが「SDGsは世界共通の目標」
日本だけのことではありません。私たちは持続可能な生活を今後も続けるためにも、このSDGsの目標達成のために主体的に取り組む必要があるんですよ!

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

 気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

 海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

これらの17項目の目標設定を受けて、日本を含む世界各国では「サスティナブルな活動」に取り組んでいます。
もちろんそれは一般企業でも、私たち個人としても同じこと。

 

そんな中で以前から問題視されていた「地球温暖化」「環境保護」について建築関連事業では目をつけました。
そして、どうにかSDGsに貢献できるような住宅や建築物を提供しようと「サスティナブルな建築物」が誕生したんです。


 

2サスティナブル事業(木造先導型)と補助金について


サスティナブルな建築物のなかでも、企業や事業者が注目している制度があります。
それは「サスティナブル事業(木造先導型)」です。

「サスティナブル事業」とは、正式には『サスティナブル建築物等先導事業』を指します。

気候風土適応型

地域の気候風土に応じた木造住宅の建築技術や低炭素化に対して先導的な技術の普及・啓発に寄与するプロジェクトを支援する

木造先導型

再生可能な循環資源である木材を大量使用する大規模な木造建築物の先導的な整備事業の具体的な内容を公開し。木造建築物に関する技術の進展と普及啓発を図る

省CO2先導型

省CO2の実現性に優れた住宅・建築プロジェクトへの支援で省CO2対策を推進し、住宅・建築物の市場価値を高めて居住・生産環境の向上を図る

次世代住宅型

loT技術の活用による住宅の市場価値、居住・生産環境の向上に関する先導的な技術の普及啓発を図るための@売ろジェクトの整備費の一部を支援する

 

サスティナブル事業には、いくつか種類はありますが木造の項目をみていきましょう!

 

木造建築物に対して補助が受けられるだけではなく、大手企業の場合などには木造のオフィスなどを建設した場合に「サスティナブル建築物等先導事業(木造型)」の公式ホームページにて紹介されます。

 

▷参考サイトはこちら


補助金を受けられるだけではなく、自分たちのSDGsの取り組みの実績として公表できることからさまざまな企業が「サスティナブル建造物等先導事業(木造先導型)」に申請を行っているんです。

 

サスティナブル建築物等先導事業の選定基準は簡単なの?助成金っていくらぐらい?

建物の構造に木造建築を取り入れたからといってすべてが「サスティナブル建築物等先導事業」の助成金を得られるわけではありません。

国土交通省が助成金を交付していることもあり、その財源は私たちの税金です。
そのため審査基準はとても厳しく、審査にはそれ相応の時間が必要になるのが「サスティナブル建築物等先導事業」の特徴です。

 

選定基準についてはこちらからご確認ください。

国立研究開発法人 建築研究所

 

▼採択されてか振り込みまでの流れ

①申請する(一般的に施主が行う)

②国立研究開発法人建築研究所の評価委員会の評価

③最終的には国土交通省が事業の採択を決定する

④採択決定

⑤工事の後の完了検査と金額の決定

⑥交付された金額の振り込み

 

▼申請に必要な書類

サスティナブル建築物等先導事業(木造先導型)

 

▼補助金の額

・プロジェクトの種類や建築物の性能によって左右する

・基本的には500万円が上限。ただし、認可された事業は1000万円が上限。

 

《関連サイト》

サステナブル建築物等先導事業とは?わかりやすく解説

サスティナブル建築物等先導事業の採択までの流れ、申請方法、補助金額などについて簡潔にまとめられているサイトです。

こちらのサイトでは省CO2先導型が主体に紹介されていますが、基本的な流れは木造先導型も変わらないので参考にしてみてくださいね。

 

3地域型住宅グリーン化事業を利用する

国では木造住宅の推進を行っているので「地域型住宅グリーン化事業」と呼ばれる制度があります。

国土交通省によって管轄されている「地域型住宅グリーン化事業」は、良質な木造住宅を整備し、省エネルギー化を推進しています。

 

以下の4つにあてはまる住宅が、それぞれ補助金を受け取ることができます。

種類

補助要件

補助金額

①長寿命型

(長期優良住宅)

・長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき、所管行政庁による長期優良住宅の認定を受けた住宅であること

・グループに対する採択通知発出以降に着工する住宅であること

・1戸当たり110万円

②高度省エネ型

(認定低炭素住宅及び性能向上計画認定住宅)

・都市の低炭素化の促進に関する法律に基づき、所管行政庁による低炭素建築物の認定を受けた住宅。または、建築物エネルギー消費性能の向上に関する法律に基づき、所管行政庁による性能向上計画の認定を受けた住宅であること

・グループに採択通知発出日以降に着工する住宅であること

・1戸あたり110万円

③高度省エネ型

(ゼロ・エネルギー住宅)

・住宅の躰体、設備の省エネ性能の向上、再生可能エネルギーの活用等によって、年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)で概ねゼロとなる木造住宅であること

・外皮性能について省エネ地域区分ごとに設定されているZEHの外皮強化基準値(外皮平均熱貫流率)以下の性能を有するもの

・BELS認証による場合は着工許可受領以降に着工する住宅であること

1戸当たり140万円

④優良建築物型

(認定低炭素建築物等一定の良質な建築物)

・採択されたグループ毎の地域型住宅の共通ルール等に即して、グループの構成員である中傷住宅生産者等により供給されるもの

・住宅の省エネルギー技術に関する講習の修了者がその設計、施工、または工事管理に関わるもの

・以下の1から3のいずれかの認定または評価等を受け、グループに対する採択通知発出日以降に着工したもの

1.所管行政庁による認定低炭素建築物の認定

2.評価期間による建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の評価

3.認証期間等の第三者による建築環境総合性能評価システム

1平米あたり1万円

 

4木造住宅でエコライフを♪

いかがでしたか?

 

今回ご紹介した内容のまとめです。

【サスティナブルな建築物~木造先導型~について】

・SDGsについて

・サスティナブル事業(木造先導型)

・地域住宅グリーン化事業 について解説してきました。

 

木造住宅の場合、鉄筋コンクリートより強度が不安…火事の時に燃えやすいといった理由から近年では避けられてきました。

しかし、「SDGs」の目的達成を受け日本では木造住宅の購入者に補助金を助成する制度を導入しています。

 

古き良き日本の木造住宅を最新のテクノロジーで、エコに、サスティナブルに進化しているので、この機会にぜひ一度木造の建築物を検討してみてはいかがでしょうか?

 

【おすすめのサイト】

注文住宅づくりで得する補助金・助成制度ガイド【2020年版】

 

こちらのサイトでは木造にかかわらず住宅を購入する際に役立つ補助金や助成金制度についてまとめられています。

今回ご紹介した「サスティナブル建築物等先導事業」「地域住宅グリーン化」事業についても簡潔にまとめられているのでわかりやすいのが特徴。

さらに、SDGs関連で注目を浴びている補助金制度もたくさん紹介しているので木造以外の補助金制度について知りたいという方にもおすすめのサイトです。

 

《参考サイト》

注目されるサスティナブル不動産

サスティナブル建築物等先導事業(木造先導型)

木造住宅を作ると、国土交通省が最大140万円の補助金?