2020.10.30

エシカル消費とは?意味や使い方を解説します

1.貧困をなくそう 2.飢餓をゼロに 12.つくる責任つかう責任 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
最近耳にする機会も増えてきたエシカル。
耳馴染みが無いという方も多いですが、実は私たちの暮らしにも影響があります。
この記事では、エシカルという考え方について、そしてエシカルを語る上で欠かせないエシカル消費について解説していきます。
 

■エシカルとは

エコ
エシカル(ethical)という言葉を辞書で見ると、「倫理」という言葉になります。

倫理とは、人間生活における秩序、つまり協調性や社会性のこと。

2030 SDGsで変える|エシカル消費とは?意味や考え方を知れば、人生が変わるかもしれないでは、エシカルのことを「エいきょうを シっかりと カんがえル」ことと紹介。
現代では、モラル(道徳)と近いニュアンスでセットとして捉えることもできますね。

エシカルやモラルは時代によって変化していきます。

例えば、かつては道中で歩きタバコをしている人がどこにでもいましたが、今は人や環境に配慮して歩きタバコをしないことが当然です。

エシカルは、私たちが時代に合わせて変化させる行動そのものを表した言葉です。
現代においては環境保全や地域、社会へ考慮した行動が求められています。
そんなエシカルの身近な行動のひとつが『エシカル消費』です。

次項からエシカル消費について見ていきましょう♪
 

■エシカル消費の基本

基本
エシカル消費の基本的な考え方は非常にシンプルです。

一般社団法人エシカル協会によると、エシカル消費とは、「『人と社会、地球環境、地域のことを考慮して作られたモノ』を購入・消費する」ことだそう。

私たちは消費者としての立場で、モノの良し悪しを判断します。
環境を損なわない、人に害がない、地域経済の支援になるなど、あらゆる側面から見てプラスになるものを選ぶことが今後のスタンダードになるかもしれませんね。

▼エシカル消費に対する意識調査はコチラ
消費者庁|エシカル消費普及・啓発活動
 

■エシカル消費ってどんな行動?

私たち消費者がすぐにできるエシカル、『エシカル消費』が話題になっていますが、人や環境、社会に配慮した消費活動と言われても、なかなかイメージが沸かないもの。
そこで!ここではどんな行動のことをエシカル消費と呼ぶのかについて見ていきます。
 

〇エコバッグをオシャレに使いこなそう♪

エコバッグ
日本でも大きな話題となったレジ袋の有料化に伴いエコバッグを持つ方が増えました。

すぐに出し入れできるものやコンパクトに折りたためる携帯性の高いものなど、機能性に優れたエコバッグがさまざまなサイズで販売されています。
なかには有名ファッションブランドが販売しているものも!

たくさん買い物をしたときに備えて複数のエコバッグを用意するのも◎

エコバッグを持つことでレジ袋に使われるプラスチックの削減にも大きく貢献できます。
レジ袋が有料化された現在は、家計の節約にもなり一石二鳥です♬
 

〇食品ロスを無くそう!

食品ロスは食べられるのに捨ててしまうこと。

「買ったけれど結局食べなかった・・・」
「作り置きしていたの忘れてた!」
「お店で注文したけど残してしまった」

食べ物をキチンと食べずに廃棄してしまうことは、日常的に行われています。

農林水産省によると、平成29年の食品ロスの量は612万トン!!
日本人の1人当たりの食品ロス量は年間約48kg、1日約132gも出ているんだそう。
1日お茶碗一杯分の食べ物を捨てていると考えるとスゴクもったいない・・・

ちなみに食品ロスは2つにカテゴリー分けされています。
 
事業系食品ロス 事業活動で出された食品ロス
家庭系食品ロス 家庭から出された食品ロス

29年度の食品ロス量である612万トンを分けると、事業系食品ロスが328万トン、家庭系食品ロスが284万トンです。

食品ロスを減らすためには計画性が大事。
「必要なものを必要な分だけ」という意識を持つだけでもOK!
外食する際は長野県松本市で生まれた3010運動を実施するのも効果的です。
 
3010運動とは
「食べきれる分だけ注文する」という基本的な考えをベースに、以下の3つの行動をしっかりと実践しようとする運動です。
 
  • 料理の量を選べるお店や食品ロス削減に配慮したお店を選ぶ
  • 食べられる分だけ注文する
  • 料理を、おいしく残さず食べきる(複数人で食事する場合は、みんなでシェアして食べきり)

食品ロスを減らすだけで食料資源の有効活用や地球温暖化の抑制にも繋がります。
 

〇省エネやリサイクル素材で作られたアイテムを使用する

リサイクル
環境保全と聞いてパッと思いつくのが、「省エネ」と「リサイクル」ではないでしょうか?
毎日消費するエネルギーを無駄なく利用したり、有限資源を未来にまで長く残したりするうえで、どちらも積極的に生活に取り入れるべきものです。

近年、家電や車などでも省エネ化が進んでいます。

長く使っている家電や車を最新のものに買い替えるだけ環境支援に繋がります♪
光熱費やガソリン代も抑えられ経済的にもオススメです。

一方、リサイクルは意識的に取り組まないとできません。

多くの方がリサイクルできるものをゴミ箱に捨ててしまっているかと思います。
リサイクルに参加する、リサイクル品を使うなどを意識できればいいのですが、メリットが無いとやる気が起きないという方もいるハズ。

大手スーパーマーケットをはじめ、リサイクルでたまるポイントキャンペーンを実施している企業もあるので、リサイクルして得しちゃいましょう♪
 

〇地元の商品を購入して地域を活性化しよう

地元の産品の購入は地産地消といって、地域活性化に大きく貢献します★
「私の地元に産品なんてあるの??」という方は、是非探してみてください。
住み慣れた地元の魅力を再発見できるかも!
 

〇フェアトレードを知る

フェアトレードは、公正公平な貿易のシステムです。

貧困に悩む人の多くは開発途上国で暮らしています。
経済的に厳しい状況が続く原因はさまざまありますが、先進国から生産者への報酬を下げていたり、生産物を安く買い叩いたりするのもその1つ。

▼貧困についてはコチラをどうぞ
ノハム|SDGsの目標4とは?意味や事例について解説します

適正な価格で商品を買い、生産者にはしっかりと報酬が支払われる仕組みがあったら・・・
そんな願いを叶えたのがフェアトレードです。

いつものアイテムをフェアトレード品に変えるだけなので気兼ねなく支援できますね!
 
フェアトレードの商品例
  1. コーヒー
  2. 紅茶
  3. カカオ
  4. スパイス
  5. ハーブ
  6. 果物(加工品含む)
  7. ワイン
  8. オイルシード
  9. コットン製品

フェアトレード品の中でもコーヒー豆が人気!
カフェでフェアトレードというワードを見掛けたことがある方も多いのでは?

フェアトレードは、国際的な認証ラベルもあり、消費者である私たちが騙されることなく安心して良質なものを適正価格で購入することができます。
価格に見合った商品を購入したいという方にもオススメです★
 

〇3Rを意識する

3Rとは、リユース(再利用)・リデュース(ごみを出さない)・リサイクルの3つの総称。
省エネの項でも記した通り、意識的な改革が必要ですが、その分効果は絶大!!
3Rを取り入れる飲食店も増えつつあるんですよ♪

▼環境に優しい取り組みをしているレストラン
ノハム|サスティナブル・レストランの評価基準を満たした店舗を紹介!【日本編】
 

〇福祉施設や被災地の商品を購入して生活自立を支援

社会的な意味での自立が困難な福祉施設入居者や被災にあった方々が作った商品を購入して生活自立を支援するのも立派なエシカル消費です。
 

■エシカル消費が注目される理由とは

疑問
人は消費することから逃れることができません。
また、常に豊かな生活を求めています。
しかし、その結果、気候変動や人権・経済的な格差などが生まれてきました。

それぞれの問題は国際的にも深刻化しているのは皆さんもご存知の通り。
エシカル消費は、そういった深刻化した問題に対して有効な消費行動です。

ここでは、エシカル消費が有効とされる現代の国際社会の課題をご紹介します。
 

〇開発途上国の貧困

先進国と開発途上国の関係は平等ではありません。

安い製品を販売するために正当な賃金が払われなかったり、作ったものが買い叩かれたり。
開発途上国では、先進国との不平等を原因に生活自立ができないことも少なくありません。
労働力の搾取は、児童労働や環境破壊といった新たな問題を生む原因に。

なにより怖いのが、開発途上国で生産された商品が溢れている先進国で暮らす私たち消費者も知らず知らずのうちに、「購入する」形で不平等に加担しているということ。

私たちが購入するものが「いつ、どこで、誰が、どうやって」作ったかを知ろうとする行動や、知ったうえで購入するエシカル消費は、貧困解決のための支援となります。
 

■グリーンウォッシュに気を付ける

ダメ
消費行動の意識を少し変えるだけで環境や人・社会への支援に繋がるエシカル消費ですが、私たちの良心に付け込んだ商品があるのも事実。
根拠が明かされていない「エコ」をはじめ、一見エシカルっぽいものがそれ。

環境に配慮した商品であるように誤解を与えるものをグリーンウォッシュと呼びます。

グリーンウォッシュに該当する主な商品は以下の通り。
 
  1. 商品やサービスに関係ないにも関わらず、自然の写真やエコなイメージを打ち出している。
  2. 根拠なく、「エコ」や「省エネ」を謳っている。
  3. 商品をエコ素材で作っているが、出来上がるまでの工程で環境にダメージを与えている。

▼グリーンウォッシュの詳細はコチラ
IDEAS FOR GOOD|グリーンウォッシュとは・意味

グリーンウォッシュに騙されないように気を付けましょう。
 

■エシカルに関連するマーク

グリーンウォッシュの商品を購入しないための目印となるのが認証マーク。
エシカルは、環境・人・社会に配慮したものなので、関連した認証マークが複数あります。
 
マーク(クリックで公式HPへ) 内容
エコマーク 厳しい基準のもと、生産から廃棄まで環境に負荷が少ない商品であることを認証する国際ラベルです。

▼エコマーク詳細
ノハム|SDGsに貢献するエコマーク制度とは?
MSC認証 通称、「海のエコラベル」。水産資源と環境に配慮した持続可能な漁業によって獲られた天然の水産物に付けられるマーク。
国際フェアトレード認証 世界的に認知されている国際フェアトレード認証ラベルは、社会的、環境的、経済的基準に満たした適正な商品であることの証です。
FSC®認証 森林破壊を防ぐために適切に管理された森林の木材、及び、その木材から作られた商品であることを証明するマークです。
GOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準) オーガニックな農法で作られた原材料を一定以上使用した商品で、環境負荷が少ない方法で製造されたものであることを証明するマーク。

ここに掲載したのは一部にすぎません。
人・環境・社会に役立つ認証マークをまとめてエシカルマークと呼びます。

▼エシカルマークについて
東京くらしWEB|関連する認証ラベル・マーク

みなさんも、普段使っているアイテムに認証マークがあるかを確かめてみてください★
 

■企業によるエシカルのアプローチ

にっこり
エシカルの認知度を高めるためには企業による宣伝が効果的★

消費者に向けて、その商品を使うとどうエシカルに繋がるのかを明確にし、アピールすることで購入する意味を感じてもらうことが必要です。また、国際的にスタンダードな行動になりつつあるエシカルを伝えるための工夫が求められています。
 

■エシカル消費についてのまとめ

エシカル消費についてご紹介しました。

人や環境・社会に配慮した行動といってもなかなか分からないものですが、各種認証マークの確認やあらゆる意味での思いやりを行動に繋げることで、エシカル消費となり得ることがわかりましたね♪

【今回の記事でご紹介した内容】
  1. エシカルとは
  2. エシカル消費とは
  3. エシカル消費に繋がる行動
    ・エコバッグを持つ
    ・食品ロスを無くす
    ・地産地消
    ・フェアトレード
    ・オーガニック製品を使う
    ・3R
    ・被災者と障がい者の支援
  4. エシカル消費が必要な理由
  5. グリーンウォッシュ
  6. エシカル認証マーク
  7. 企業によるアプローチ

使うモノ、食べるものを変えるだけでOKなエシカル消費は、私たちが直ぐに実行できることであり、国際的な問題の改善に向けた取組み参加できるということ。
気軽に参加できる入り口が設けられているからこそ、積極的に参加してみませんか?

以上、『エシカル消費とは?意味や使い方を解説します』でした!