2021.02.25

SDGs上位国家の取り組み事例を紹介【フィンランド編】

ムーミンを筆頭にどこか可愛らしいイメージあるフィンランド。

そんなフィンランドでは今「SDGs」に対して積極的に取り組まれているのをご存知ですか?

 

そこで今回は「SDGsに取り組んでいる国としても有名なフィンランド」をピックアップ。

「SDGsとはなにか」「フィンランドのSDGsとの関係」「フィンランドのSDGsに対しての取り組み」についてご紹介いたします。

ぜひ、最後までご覧ください★

 

1世界各国で取り組まれている「SDGs」ってなに?

SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味を指します。

 

SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標として今では様々な国や企業、人から周知されています。

 

“2030年まで”という期間を設けて、世界共通の目標を国連に参加している国が各々「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのがはじまりですが、なぜSDGsをはじめることになったのでしょうか?

 

●SDGsは私たちの将来のために必要な目標

SDGsの目標はMDGsという開発途上国向けの目標がありました。

このMDGsはSDGsを採択する以前に設けられていた目標で、MDGsが失敗したことを受けてSDGsが新しく採択されることに決まりました。

 

その結果、SDGsでは先進国も含めた目標を新たに加えたものとして設定されているのがMDGsとの大きな違いです。

 

そして新たに設定されたSDGsでは「誰も置き去りにしない世界」を目指して大きくわけて、17の目標が設置されています。

 

「誰も置き去りにしない世界」を目指して

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

2フィンランドはどうしてSDGsに貢献しているの?

2020年7月に国連が「The Sustainable Development Goals Report 2020」を発表しました。

 

こちらのレポートでは、SDGsの17目標別の世界での達成度を点数化しランキングとしてまとめられました。

 

フィンランドはこのランキングで3位という素晴らしい結果を残しました。

 

ではフィンランドではどうしてSDGsがこんなにも普及しているのでしょうか?

順位

国名

ランキングスコア

1

スウェーデン

84.7

2

デンマーク

84.6

3

フィンランド

83.8

4

フランス

81.1

5

ドイツ

80.8

6

ノルウェー

80.8

7

オーストラリア

80.7

8

チェコ共和国

80.6

9

オランダ

80.4

10

エストニア

80.1

 

①福祉制度が整っている

まずフィンランドの特徴としてあげられることが「税金が高い」「福祉サービスが整備されている」といった2点なのではないでしょうか。

 

日本では消費税が10%なことに対し、フィンランドでは消費税は22%となっています。

日本の約2倍と考えると、あまりにも高いと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

しかし税金が高いということはデメリットではなくメリットが多いんですよ。

 

その最たる例としてあげられるのが「福祉サービスの充実」

・医療サービスは基本的に公的機関が行う

・出産や大がかりな手術の医療費はすべて税金でカバーされる

・教育費はすべて無料

・学生時代に住居手当、勉学手当がある といった日本では考えられないほどの充実しています。

 

日本では出産に関わる費用は自己負担だったり、教育に関わる費用も一部負担、医療費も3割負担といったように、自己負担がかかってしまいます。

 

フィンランドは世界一しあわせな国といわれているだけあって、高齢者にもやさしく、子どもも育てやすく、女性も男性も生きやすい国として機能するような福祉が充実していることが特徴です。

 

《参考サイト》

北社会福祉研究家による世界・北欧の福祉事情

 

②国土の70%が森で覆われている


フィンランドの国土は70%が森で覆われています。

そのため自然界について多くのことを学びながら育つ方がほとんど。

 

どこまでも続く森は、北欧でも世界でも環境がいいエリアと言われています。

 

さらに、自然が多いフィンランドだからこその「自然享受権」といった権利があります。

これは、夏の時期になるとベリーやキノコを求めて公園や森へ行き、自由に食物を採取できる権利のことです。この権利はフィンランドの国民だけではなく、観光客も自然の食物を採ることが許されているんです。

 

ありのままの自然を楽しみながら、環境を守りつつ共生しているのがフィンランドの特徴です。

 

③水道水が飲める

日本では当たり前のことかもしれませんが「水道水」が飲めるということは、海外でもとても珍しいことなんです。

日本の水も綺麗ですが、フィンランドでも「水道水」はとても綺麗だと言われています。

 

その結果世界トップレベルの品質として、ヨーロッパをはじめ世界各国から注目されているんです。

 

さらにフィンランドでは、水道水が綺麗だということもあり「マイボトル」が定番化。

ミネラルウォーターなどのペットボトル飲料を買う方はほとんどいなく、多くの方が水道水を入れたマイボトルを持ち歩いているのが特徴です。

 

3フィンランドの取り組み事例ってどんなものがあるの?

では、実際にフィンランドではどのような取り組みを行なっているのでしょうか?

事例を交えながらみていきましょう!

 

①CO2排出量の削減

フィンランドでは、電力供給の90%がCO2を排出しないグリーンエネルギー。

化石燃料を使用して発電する際に出る有害物質やガスを削減するために、フィンランドをはじめとする北欧ではグリーンエネルギーが取り入れられています。

 

自然と共生しているフィンランドだからこそ、積極的にグリーンエネルギーを取り入れSDGsの目標達成に貢献しています。

 

②食品ロスの削減

SDGsの中でも特に問題視されている「食品ロス」

そんな食品ロスの問題に対し、フィンランドは積極的に取り組んでいます。

 

というのも、フィンランドでは「食」を大切にする文化があります。

前述したように、フィンランドの国土の70%は自然で囲まれているので、自然の食べ物はとても大切なものとして考えられているそうです。

 

このような「食」に対しての考えに重きを置いているため、フィンランドの首都ヘルシンキではゴミを出さないレストランが誕生しました。

 

レストラン「NOLLA」では、厨房にはゴミ箱は置かず、調理中に出たゴミとなるもの(タマゴの殻や魚の骨など)はすべてコンポスティングするといった取り組みが行われています。

コンポスティングとは、有機物を分解させて堆肥にすることです。

 

このようにフィンランドでは、食品ロスに対して真摯に取り組んでいるレストランや、食べ物そのものを大切にするといった取り組みが行われています。

 

《参考サイト》

コンポストの習慣と、そこから得たもの

ヘルシンキのごみゼロレストラン「NOLLA」の、絶対食材を無駄にしない工夫

 

3フィンランドについてもっと知りたい場合におすすめのサイト

今回ご紹介しきれなかった分や、さらにフィンランドに対してもっとよく知りたいという方におすすめのサイトです。

 

フィンランドで実際に見た取り組みから「サステイナブルな旅」を考える

こちらのサイトでは実際にフィンランドを歩きながら、フィンランドのどこにサスティナブルが取り組まれているのかについてまとめられたサイトです。

他のサイトとは異なり、観光しながらサスティナブルを肌で感じることをコンセプトに書かれているので、読んでいるだけでまるでフィンランドに行ったような没入感があります。

フィンランドの街並みを感じながらSDGsについて考えたい方にはおすすめのサイトです。

 

SDGs達成に向けたフィンランドの取り組み

こちらのサイトでは、フィンランドとSDGsの取り組みについてまとめられています。

どのような取り組みがSDGsの目標のどの項目にあてはまるのかについても記述されているので、フィンランドがどのSDGsの目標に強いかが気になる方は参考にしてみるといいかもしれません。

 

食を中心としたwell beingの実践・フィンランドのSDG 3に対する取り組み

フィンランドのSDGsの取り組みの中でも食に関わることについてまとめられたサイトです。

実際にフィンランドにある企業がどのような取り組みを実践しているかについてもまとめられているので、フィンランドの企業が行っている取り組みが気になる方にはおすすめのサイトです。

 

4福祉国家フィンランドの取り組みを見習おう!

いかがでしたか?

 

今回ご紹介した内容のまとめです。

【SDGsランキング上位のフィンランドについて】

・SDGsとは?

・フィンランドの現状

・フィンランドのSDGsに対しての取り組み事例 について解説してきました。

 

福祉国家であるフィンランドは、自分たちの国の良さを生かしつつSDGsの目標達成のために取り組んでいるのが特徴でした。

 

日本では、福祉に関わるジェンダーの問題やグリーンエネルギー、食品ロス削減といったSDGsに関わる取り組みが課題としてあげられています。

フィンランドとは状況が違いますが、日本は海に囲まれた島国で山などの自然に恵まれています。

 

フィンランドの自然とともに生きていくという姿勢を見習って、SDGの目標達成に取り組んでいきたいですね。

 

また、SDGsの目標達成のためには私たち一人一人がきちんと行動することが大切です。

フィンランドと同様に、日本の水道水も世界の中でトップクラスに綺麗だと言われています。

マイボトルを持参したり、ペットボトルなどのプラスチックゴミ削減などは、今すぐにも行動できます。

 

ぜひこの機会に、サスティナブルなせいかつをとりいれてみてはいかがでしょうか?

 

 

《参考サイト》

SDGs(持続可能な開発目標)17の目標&169ターゲット個別解説(イマココラボ)

SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT(193の国連加盟国全てのランキング)

フィンランドにある環境問題が車、お肉とヒーター!?

2020年SDGsの歩みは順調? 世界のSDGs達成状況と取組事例