2020.10.29

SDGsに関わるサスティナブルフードとは?意味や事例をわかりやすく解説します

12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう

サスティナブルフードやSDGsという言葉を聞いたことはありますか?

どちらも初耳、どちらかは聞いたことあるけど片方はわからない…といった方もいるのではないでしょうか。

 

最近よくメディアでも話題に上がる「サスティナブル」「SDGs」

こちらの言葉は実は、今後の私たちの将来に関わる大切な言葉なんですよ。

 

そこで今回は「SDGsとサスティナブルフードについて」ピックアップ☆

SDGsってなに?サスティナブルフードってなに?という方のために、事例を含めて詳しく解説していきますよ!

 

1SDGsとはなにか理解しよう!



はじめてSDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いた方もいらっしゃいますよね。

こちらは英語の「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味です。

 

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標で、2030年までの目標として国連に参加している国がこの目標を達成するために力を合わせていきましょうということがはじまりです。

ちなみに、あくまでも目標でゴールを目指しているので、読み方は「エスディージーズ」ですよ☆

SDGsの前にはMDGsという開発途上国向けの目標が設定されていました。
しかし、私たちがいま住んでいる日本は先進国。開発途上国ではないので、こちらの目標については自分たちのこととしての認識がありません。
そういった考えが他の国でも一般化していたこともあり、MDGsはなかなかうまくいきませんでした。

そこで第三者として発展途上国の目標を支援するのではなく、先進国も全員が自分たちのこととして考えられる持続可能な目標をみんなで目指そうという考えが生まれます。
未来は全員が共有している財産だからです。地球のためにも、自分たちのために、将来の若者のためにも、今の課題をすべて自分ごととして考え、行動するために新しく目標が必要になります。

それが「SDGs」のはじまりです。

 

①「SDGs」の目標は大きく分けて17項目!

国連加盟国の世界共通の目標である「SDGs」

一体どのような目標が設定されているのか、気になりますよね。
では、実際にSDGsの中身である「持続可能な開発目標」とは一体なにかをここで少しみていきましょう!

 

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

 気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

 海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する


上記の表のとおり、SDGsには大きく分けて17の目標が設定されています。
それぞれの目標のテーマと、さらにそのテーマに対する副題が設定されていて、こちらの17項目を達成できるように頑張ろうね、というのがSDGsです。

当たり前のことも、そうではないことも、国連加盟国の世界共通目標なだけあって幅広く取り扱っていますよね。

そんなSDGsの中でも特に食に関する目標について今回はさらに掘り下げていきましょう!

 

2サスティナブルフードって?

SDGsでも出てきましたが、サスティナブルとは「持続可能な」という意味を表します。

サスティナブルフードとは、持続可能な食品のこと。
持続可能な食品って聞いてもいまいちピンとこない…
そんな方も多いのではないでしょうか?

 

そこで、普段の自分の食生活を思い浮かべてください。
私たちの食卓には日々さまざまなメニューが並んでいますよね。
その食材はどのようにして私たちの手にとられているかはご存知ですか?

 

農薬を使った野菜、畜産から流通してきた国内産のお肉、添加物がたくさん入った調味料など…実は健康にも、環境にも優しくない可能性もあるんです。

 

私たちの食卓に並んでいる食材は無限ではありません。

誰かが手間暇をかけて育て、その分の土地が必要で、効率的に収穫するためにさまざまな方法を使用しています。時には国内生産が難しく、海外から輸入もしています。

そのため、永久にその食材を収穫する…というのは難しいのが現状。

 

日本の身近な例で考えるのであれば、漁業などがわかりやすいのではないでしょうか。

うなぎやさんまなどの季節の魚と呼ばれるものは近年収穫量が減ってしまい、どんどん値段が高騰していますよね。そして収穫できなくなったからと養殖をしているところも増加しているのが現状。

 

つまり、バランスを保てなくなってしまったがために本来であればまだ私たちの食卓に並ぶはずだった魚も徐々に姿を消してしまっているんです…

そういった現状をふまえて、今後も将来を見据えて持続可能に食べられるように、環境や健康など…さまざまなことに配慮して作られている食べ物のことを「サスティナブルフード」といいます。

 

サスティナブルフードのメリット

サスティナブルフードについて理解できたところで、サスティナブルフードを取り入れると具体的にどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。

 

①健康によい

サスティナブルフードは、人にも環境にもやさしい食品だとさきほど紹介しました。

サスティナブルフードは大量生産、大量消費のような効率主義の食品とは異なり、具体例を挙げれば無農薬で育てられた野菜や、お肉の代わりに大豆ミートを使用する…などといったものです。

大豆ミートに焦点を当てれば、普段お肉から摂取していたコレステロール値は下がり、たんぱく質を簡単に摂取することもできます。
知らず知らずのうちにダイエット効果を得られるのは世界各国の女性にも、男性にも、とても魅力的なポイントなのではないでしょうか。

 

②環境にやさしい

近年、家畜による地球温暖化の影響が問題視されていました。いくら私たちが二酸化炭素を減らそうとしても、畜産が盛んな限りは二酸化炭素の排出量やメタンガスの排出量は削減しにくい…といった意見もあるほどです。
そこで目をつけられたのが、菜食文化で重宝されている大豆ミート。

動物性食品ではないため、ベジタリアンやヴィーガンの方からも愛用されていましたが、昨今ではSDGsの目標達成のために菜食を取り入れていない若者も手を取り始めたんですよ♪

 

畜産は私たちに切っても切り離せないものではありますが、必要以上に家畜を飼育すればいいというものでもありません。

サスティナブルフードはこのように、家畜と共生していく上で、地球にも環境にも配慮している食品なんです。

 

③労働のバランスが均等になる

さきほどの畜産の話につながりますが、家畜の飼育数が減るということは今まで必要だった人手も減るということになります。

一見デメリットのように聞こえるかもしれませんが、畜産業をはじめとする農業は万年人手不足が問題視されてきていました。

それは日本国内に問わず、開発途上国を含む世界各国の問題です。

 

人手が削減されるということは正しい労働のバランスを保ちやすくなり、その分ほかの仕事へと人をさいたり、賃金と労働のバランスが不均等…といった問題が解決しやすくなります。

人手不足な業界だからこそ、新しいサスティナブルフードへの取り組みに力を入れていくことで解決できる労働のメリットは大きいのではないでしょうか。

 

またSDGsでは労働についての目標も設置されているため、そちらも同時に目標達成を目指せるというのはとても魅力的ですね。

 

3サスティナブルフードを取り入れた日本の食品業界も


サスティナブルフードについてやサスティナブルフードのメリットを理解したところで、日本の企業がどのようにサスティナブルフードを取り入れているのかを実際に見ていきましょう!

 

①フェアトレードで生産者と公平な取引を

フェアトレードとは、公平で公正な貿易を行うことです。

取引によっては十分な利益が得られず不安定な生活をしているという方が、世界各国を見渡すとたくさんいます。

企業によってはフェアトレードな取引をして、サスティナブルフードを提供しているところもあるんですよ。

 

②食肉業界もノンミート市場に

喫茶チェーン店のコメダ珈琲店は、植物食をうたったカフェをオープンしました。

「KOMEDA is □(コメダイズ)」は文字通り、米や大豆などの植物性食材を使うヴィーガンカフェで、大豆ミートを使用したバーガーなど途上国の生産者に配慮して公正な価格で取引したフェアトレードのコーヒーも提供されています。

 

コメダにならい、他の企業でも代替肉を使用したノンミートなバーガーを取り入れるところが増えてきました。

さらに、食肉の企業として知られている丸大食品や、伊藤ハム、日本ハムでも代替肉市場に手を伸ばしているので、ノンミートな食材が私たちの手の伸ばせる範囲にも提供され始めているんですよ。

 

環境負荷を軽減させ、生産者に適切な価格で取引することで、日本の企業はサスティナブルフードを発信しています。

 

4サスティナブルフードを取り入れるとどうなるの?

企業も力を入れて取り組んでいるサスティナブルフードの現状をふまえて、このまま私たちもさスティナブルフードを選択していくとどのようなメリットあるかをみていきましょう。
 

●地球温暖化防止

サスティナブル…持続可能な開発の大きな目的のひとつが「地球温暖化防止」

先ほど確認したように、家畜による二酸化炭素やメタンガスの排出量の多さが問題視されてきました。

未来の地球を守るために、世界各国で取り組んでいる地球温暖化防止策ですが、その一端を担っているのがSDGsとサスティナブルフード。

SDGsの目標達成のためにサスティナブルフードを取り入れて、家畜量を減らすことで地球温暖化防止につながることは日本だけではなく世界共通の最大のメリットなのではないでしょうか。

 

5サスティナブルフードやSDGsについてもっと詳しく知りたい方へ

 

サスティナブルフードやSDGsについて詳細を紹介しましたが、

「もっと詳しく現状を把握したい」

「ほかにもサスティナブルフードを取り入れている企業はないの?」といった方のためにおすすめのサイトをご紹介致します。

 

サスティナブルフードとは?サスティナブルシーフードやコーヒーなど具体例を解説

こちらのサイトではサスティナブルフードについて解説はもちろん、私たちが今取り組めることを具体例を通じて紹介してくれています。

大手コーヒーメーカーなども取り入れている仕組みや、海洋物との共生についても事例とともに説明してくれているのでとてもわかりやすいですよ。

 

広がる「サステナブルフード」 ネスレやコメダも

日本経済新聞が出しているコラムのひとつです。

サスティナブルフードを取り入れている日本企業について、物流や経済の視点から捉えているので社会的にサスティナブルフードの立ち位置がどうなっているのか気になる方にはオススメのコラム。

大手企業の市場拡大方針や今後の日本の食文化の移行についても切り込んでいるので、食品業界からもサスティナブルフードについて調べたい!という方には是非ともおすすめしたいサイトです。

 

6サスティナブルフードとSDGsの関係についてのまとめ

いかがでしたか?

食という私たちが暮らす上で切っても切り離せないもの。

将来も美味しく食事を続けるためにも、持続可能な食材であるサスティナブルフードを利用するというのもSDGs目標達成のためには大切なことです。

 

ノンミートなどの代替肉は食べたことがないという方は、今回紹介したチェーン店などで販売しているノンミートバーガーからチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

ひとりひとりが少しずつ意識してサスティナブルフードを取り入れることで、SDGsの目標達成率もきっと変化するはずですよ。
 

《参考サイト》
オーガニックとは人体にも環境にも優しい?定義や認証機関についても解説