2020.10.20

SDGsに向けた日本の取り組み紹介

今、世界中で話題となっているSDGs。
日本でもSDGsの取り組みが始まっております。
皆さんは、日本がどのような取り組みを行っているかご存じですか?
全く知らないという方もいらっしゃるかと思うので日本が取り組んでいることをご紹介します。
 

SDGs(持続可能な開発目標)とはどういったものか


SDGsとは、2016年~2030年の約15年間の間に達成すべき国際的目標のことです。
SDGsは、2000年の国連サミットで採択されたMDGs(エムディージーズ)/ミレニアム開発目標)が2015年んい達成期限を迎えたことを受けて、新たな世界の目標として定められました。
2015年に制定されたSDGsは、「誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標」で構成されているのが特徴です。

SDGsについては詳しいことはこちらから
国際連合広報センター
 

SDGsの17の目標とはどのようなものがあるのか

1、貧困をなくす あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ。
2、餓死をゼロ 餓死に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する。
3、すべての人に健康と福祉を あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する。
4、質の高い教育をみんなに すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。
5、ジェンダー平等を実現しよう ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る。
6、安全な水とトイレを世界中に すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する。
7、エネルギーをみんなにそしてクリーンに   すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する。
8、働きがいも経済成長も  すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生涯的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する。
9、産業と技術革新の基盤をつくろう  強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る。
10、人や国の不平等をなくそう 国内および国家間の格差を是正する。
11、住み続けられるまちづくりを 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする。
12、つくる責任つかう責任 持続可能な消費と生産のパターンを確保する。
13、気候変動に具体的な対策を 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る。
14、海の豊かさを守ろう 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する。
15、陸の豊かさも守ろう  陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る。
16、平和と公正をすべての人に   持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともにあらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する。
17、パートナーシップで目標を達成しよう   持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

貧困や飢餓などの問題や働きがいや経済成長、気候変動に至るまで、21世紀の世界が抱える課題を上げているのがこの17の目標です。
この17の目標一つひとつに10個のターゲットが存在しており、トータルで169個のターゲットが設定されています。
 

17の目標に設定されている169のターゲット

ターゲットを全て紹介することはできませんが、こういったターゲットが設定されているんだなという参考にしてください。
17の目標はこのターゲットを一つひとつ達成しなければなりません。
 
すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する
2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う
 

SDGs達成のための日本政府による取り組みはこちら

1、実施体制の構築

日本政府は、2016年に総理を本部長とし、官房長官及び外務大臣を副本部長、全閣僚を構成員とする「SDGs推進本部」を設置しました。
この推進本部では年に2回会合が行われており、SDGs推進や日本の取り組み方、17の目標の達成について様々な議論と政策が進められています。

ここで上げられた8つの優先課題がこちら。
人間(People) 1、あらゆる人々が社会・ジェンダー平等の実現
2、健康・長寿の達成
繁栄(Prosperity) 3、成長市場の創出、地球活性化、科学技術イノベーション
4、持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
地球(Planet) 5、省・再生可能エネルギー、防災、気候変動対策、循環型社会
6,生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
平和(Peace) 7、平和と安全・安心社会の実現
パートナーシップ(Partnership) 8、SDGs実施推進の体制と手段

8つの優先課題はそれぞれ、2030アジェンダに掲げられている5つのPに対応しています。
 

2、ジャパンSDGsアワードの開催

SDGs達成に資する優れた取り組みを実践している企業や団体を表彰する活動です。
SDGsの推進により「見える化」することによって、より多くの行動を促進させるために行っているのがこちらのアワード。
こちらのアワードでは、企業や団体の他、NGOやNPO、教育機関、地方自治体も表彰の対象となっております。
年々、このジャンパンSDGsアワードに表彰されるために積極的に取り組んでいる企業や団体が増えているそうです。
 

3、SDGs未来都市の選定

2008年より、持続可能な経済社会実現に向けて「環境モデル都市」「環境未来都市」の選定を日本は行っています。
「SDGs未来都市」は、「環境モデル都市」と「環境未来都市」に加えて、地方再生を促進することを目的として、SDGs達成に向けた取り組みを提案する都市が選定されています。
 

4、SDGサミットの開催

2019年9月、ニューヨークの国連本部においてSDGs達成に向けた機運を高める目的とした「SDGサミット」が採択され、
日本からは安部総理が出席。
このサミットは、首脳レベルでSDGs採択以降の取り組みのレビューを行い、
SDGsを達成するためにどうのように向き合っていくかを高めるために開催されています。
このサミットで採択されたのが「SDGサミット政治宣言」です。

この宣言の内容は以下の3つ。
1、SDGs達成に向けたコミットメントの確認。
2、現状分析(極度の貧困、子どもの死亡率、電気・水へのアクセス等。ジェンダー、格差、生物多様性、環境破壊、気候変動災害リスクへの対応遅れなど。他多数)
3、アクションの加速化(資金、実施体制、地域の取り組み、強靭性構築、STI、統計等)

 

SDGsを達成するための日本の国際協力への取り組みはこちら


SDGsに関する日本の国際協力の取り組みをご紹介します。

■防災の取り組み

世界全体で発生した大規模災害や経済的損失は、年間平均で約1000億ドルを超えると言われています。

そこで日本の取り組みとしては、2011年3月11日に発生した東日本大震災をはじめとし、大規模災害に負けない強い社会づくりを目指しています。
その強い社会づくりの為に行っている活動が「世界防災閣僚会議in東北」です。
こちらは東日本大震災や過去に発生した大規模災害の経験や教訓を各国と共有するという内容。

また、国際協力機構・国連国際防災戦略事務局・国連開発計画と共催で、G20開発作業部会サイドイベントを開催しています。
 

■人権の取り組み

人権に関する日本の取り組みは、海外で行っている取り組み方を事例とし、
企業における人権保護にかんする日本の法制度や施策について確認する作業が行われています。

日本政府が主導で現状把握を行っているのが現状です。

この現状把握によって、ビジネスと人権への関心がより高まっていくことを期待して待ちましょう!
 

■教育の新政策

女性教育支援において、日本の取り組みは、家の外で就学や就業することが困難な女性たちの社会進出を支援する働きを行っています。
女性の就学・就業・公衆衛生・母子保健など、様々な教育に積極的に取り組んでいます。
 

■保険の取り組み。新政策

日本は、持続可能な開発のための2030年アジェンダにおいて、保険はとても重要だと位置付けしています。
具体的な取り組みとしては、「感染国及び感染地域での感染拡大防止」「国際機関との協力強化を通じた感染症強化」の2つが主なメインです。
またこの他にも課題となっている問題はたくさんあります。
その課題とは、「認知症・精神保健分野への支援」「母子健康手帳の普及等の母子継続ケアの展開」。

すべての人があらゆる年齢においても健康であることを目指すのがこの取り組みです。
 

■ジェンダーの新政策

ジェンダーにおける支援は大きく分けて3つあります。

1つ目「女性と女児の権利の尊重・脆弱な状況の改善」
発展途上国の学校内に女子トイレの設置など。

2つ目「女性の能力発揮のための基盤の整備」
女性工学系教員の育成など。

3つ目「政治・経済・公共分野への女性の参画とリーダーシップの向上」
女性が小規模ビジネスを行うコミュニティの活性化や生計向上のための能力開発など。

参考サイトはこちら
SDGsへの取り組みを活用した持続可能社会への移行加速
 

日本のSDGsの達成度は?世界ランキングでの順位は?

SDGsの17の目標すべてを対象とした世界ランキングをご紹介します。
ランキングの対象となる国は156ヵ国となります。

上位10ヵ国と日本の順位はこちら

1位:スウェーデン 
2位:デンマーク 
3位:フィンランド
4位:フランス
5位:ドイツ
6位:ノルウェー
7位:オーストリア
8位:チェコ共和国
9位:オランダ
10位:エストニア




15位:日本


日本は、SDGsの達成度において世界156ヵ国の中で15位です。
達成することが難しいと言われている17の目標のうち、
目標5、ジェンダー平等
目標12、消費と生産
目標13、気候変動
目標17、パートナーシップ
の4つの項目が日本の足を引っ張っています。

その理由としては…

女性国会議員の少なさ
男女の賃金の格差、無償労働を行う際の男女の格差
電気電子機器廃棄物の量
輸入食料・飼料に使用する窒素排出量、エネルギーのCO2排出量
水産資源の乱用、金融秘密度指数

など、上記のもの以外にもたくさんの課題が日本国内にはあります。
日本はこの課題に今後、どのように解決していくのかが世界中で注目されています。

参考サイトはこちら
SDGsの達成度は?日本はどんな取り組みをしている?
 

SDGs達成のためにできることを考えよう!

いかがでしたか?
SDGsを達成するために日本が取り組んでいることをご紹介しました。
日本はまだまだ達成できていない課題が山積みですが、達成できている目標も2つあります。
これから達成できている目標が増えることを楽しみに頑張っていきたいですね。
日本は世界ランキングではまだ15位という立ち位置ですが、今後どのような取り組みをしてランキング上位に上がっていくのかが見どころですね。
すぐに出来ていない課題を達成するというのは難しいですが、国や企業が一丸となって取り組んでいけば、きっと達成できなかった目標も達成できることでしょう!

参考サイトはこちら
国際連合広報センター
SDGsへの取り組みを活用した持続可能社会への移行加速
SDGsの達成度は?日本はどんな取り組みをしている?