SDGs達成のために解決すべき食品ロスの現状とは?【日本編】
私たちの生活の中で特に大切なこと「食事」
普段の食事の中でどうしてもしまうものといえば「ゴミ」ですよね。
でもそれは本当にゴミなのでしょうか?
ただの食べ残しや、実はまだ食べられる可能性のある食材ではないですか?
そこで今回は「食にまつわるSDGsの項目を、食品ロス問題」についてピックアップ。
SDGs達成のためにはまず理解が何よりも必要!
ぜひ最後まで目を通してみてくださいね☆
1SDGsについてのおさらい
まずはSDGs(エスディージーズ)についてふれておきましょう。
SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味になります。
2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標で、2030年までの目標として国連に参加している国が各々この「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのがはじまりです。
2030年までという期間を設けて、先進国だけではなく国連に参加している先進国もあわせて193カ国がこの目標を達成しようと決定したんですよ。
そして「SDGs」を採択した2年後である2017年にダボス会議でSDGsの巨大な経済効果が発表されます。その額なんと12兆ドル。
あまりにも大きな数字ですよね。しかもドルなので日本円にしたら12兆円ではありません。もっと大きな額になるんです。
さらに雇用についても大きなメリットがあると発表されました。
その結果、今私たちが生活する中で「SDGs」という言葉を目にしたり、耳にする機会が増えたんですよ。
SDGsの目標17項目
世界共通の目標であるSDGs…
実際にどのようなものなのかというのもおさらいしておきましょう!
SDGsは大きく分けると17の目標があります。
どれも当たり前のことばかりのようですが、私たちの将来を見据えるとどれもとても大切なものばかり。
ひとつひとつの項目を自分たちのこととして捉えて、課題は何かを理解することがまずは大切なことなんですよ。
No |
主題 |
副題 |
1 |
貧困をなくそう |
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ |
2 |
飢餓をゼロに |
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する |
3 |
すべての人に健康と福祉を |
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する |
4 |
質の高い教育をみんなに
|
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する |
5 |
ジェンダーを平等に実現しよう |
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る |
6 |
安全な水とトイレを世界中に |
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する |
7 |
エネルギーをみんなに そしてクリーンに |
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する |
8 |
働きがいも 経済効果も |
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する |
9 |
産業と技術革新の基盤をつくろう |
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る |
10 |
人や国の不平等をなくそう |
各国内及び各国間の不平等を是正する |
11 |
住み続けられるまちづくりを |
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する |
12 |
つくる責任 つかう責任 |
持続可能な生産消費形態を確保する |
13 |
気候変動に具体的な対策を |
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる |
14 |
海の豊かさを守ろう |
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する |
15 |
陸の豊かさも守ろう |
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する |
16 |
平和と構成をすべての人に |
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する |
17 |
パートナーシップで目標を達成しよう |
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
2食品ロスってなに?SDGsとどうして関わりがあるの?
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のこと。
私たちの食卓には多くの料理が並びますよね。
日本国内だけではなく外国産の食材を輸入し、調理して私たちの食卓へと並びます。
自宅であれば食べる分だけ調理して残りは冷蔵庫で保管…ということもできますが、外食だと残してしまえばそれは廃棄されてしまいます。
そういった「まだ食べられる」のにも関わらず、捨てられてしまう食品のことを食品ロスといいます。
食品ロスを削減することで得られるメリット
まだ食べられるのにも関わらず廃棄される食品「食品ロス」
そんな食品ロスを減らすことで得られるメリットももちろんあります。
①地球温暖化防止
SDGsは「持続可能な開発」の目標です。
昨今、地球温暖化という言葉をたびたび耳にしますが、食品ロス削減も地球温暖化防止につながるといわれているんですよ。
食品ロスは言ってしまえば廃棄物、ゴミです。
ゴミを処理するのにはたくさんの二酸化炭素を排出します。
二酸化炭素は地球温暖化を悪化させる原因のひとつ。
そんな二酸化炭素を少しでも削減させるためには、ゴミを減らすのが何よりも重要になります。
つまり、ゴミを減らす=食品ロスを減らす=地球温暖化防止につながる、ということです。
②食材の破棄コストの削減につながる
食品ロスを廃棄するためにも破棄コストがかかります。
ゴミを燃やすためにはたくさんのエネルギーが必要なだけあって、その分のコストというものはかかってしまうのです。
燃やすゴミが少なければその分土地もできますし、その分のエネルギーもいらなくなります。
また、企業側の廃棄コストにかかっている費用も削減できて、その分他のところにコストがまわるようになりますよね。
食品ロスを削減すると、金銭的な面で見ても、人員的な面で見てもメリットは大きいんですよ。
食品ロスとSDGsの関係
「食品ロスとは何か」「食品ロス削減のメリット」について理解したところで、食品ロスとSDGsがどのように関わっているのかをみていきましょう。
さきほども説明したように、SDGsではおおまかに17の達成目標が設定されています。
それぞれのテーマと副題があり、その中でさらに細かく目標が設定されているのですが、
その中でもNo.12「つくる責任 つかう責任」では、世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減させ、生産・サプライチェーンにおいて食品ロスを減少させることが掲げられています。
(参考サイト:⑥目標12 つくる責任 つかう責任)
そのため、SDGsの目標達成のためにも
①食品ロスの現状について把握しておくこと
②課題が何かを理解しておくこと の2つがとても重要になるんですよ。
では、次に日本の食品ロスの現状についていきましょう。
3日本の食品ロスの現状は?
まず日本の食品廃棄物などは年間2842トンあるといわれています。その中でも食べられるのにも関わらず廃棄にまわる「食品ロス」の量は年間646トン。
あまりにも膨大な数字ですよね。
それだけの量の食事を捨てていると考えるとわからない…という方は身近なもので考えてみましょう。
この膨大な数字を国民一人当たりで換算すると、“お茶碗1杯分の食べ物が毎日”捨てられていることになるんです。
そう考えると私たちは普段いかにもったいないことをしているかがわかりますよね。
そのもったいないことをしているのが、日本の食品ロスの現状なんです。
食品ロスは事業だけの問題ではない
日本の食品ロスの量の中でも大きな割合を占めるのが食品関連事業。
売れ残り、食べ残し…など日々の生活の中でたくさんの食品ロスが発生しています。
しかし一般家庭からも食品ロスが発生していることも…
たとえば鶏肉の皮などはどうしてますか?きちんと処理をして食べる方もいれば、苦手だからと捨ててしまう方もいるのではないでしょうか?
そういった“食べられる”ところを過剰に除去してしまったり、大根の葉っぱを捨てたり…など調理によっては食べられる可能性があるのにも関わらず廃棄してしまうことがあるのが一般家庭から発生する食品ロスの特徴です。
さらに身近な例で考えれば、冷蔵庫に入れっぱなしで賞味期限が切れてしまった、食べ残したものを保存したが傷んでしまった…など思いつく例はたくさんありますよね。
食品ロスは食品関連事業に目を向けられがちですが、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」とあるように、私たちは「購入した食材をきちんとつかう責任」があることを忘れないようにしなければいけないのかもしれないですね。
4食品ロス削減のために私たちが気をつけるべきこと
日本での食品ロスの現状が芳しくないことがわかったところで、私たちにできることはなにか、そして食品ロスを削減すると得られるメリットはなにかについてをみていきましょう。
食品ロス削減のために私たちが普段からできること
企業側がいくら努力をしても消費者である私たちが気を付けない限り、食品ロスが削減しにくくなってしまいます。
SDGs目標達成のためにも、私たちが普段の日常生活の中から出来ることに目を向けてみましょう。
①買いすぎない
一番大切なのは必要以上に食材を購入しないということです。
冷蔵庫の中にあるものをきちんと理解し、賞味期限を確認して、期限内にきちんと使い切る。
そして新しいもの、不足分を購入する…という流れにすれば、必然的に食品ロスの削減へと繋がりますよ♪
②調理しすぎない
さきほどの『買いすぎ』と関連しますが、食材が必要以上にあるとどうしても大量に調理してしまいがちに…
もちろんそれを食べ切れるのであれば問題はありませんが、調理したものを結果的に廃棄してしまうのであればそれは『作りすぎ』ということになります。
適切な量を調理する、というのも当たり前のことですがとても重要です。
③保存方法を考える
どうしても食べきれない…そんなこともありますよね。
そういった時にはきちんと保存をしましょう。大抵のものであれば、適切な保存をおこなえば日持ちします。1日でダメになるというのはあまりありません。
『食べきれないから捨てる』ではなく『食べきれないから保存する』といった行動へと変えることも、SDGsの目標達成のためには必要なことですよ。
④注文しすぎない
自宅での調理や購入であれば、自分でどうにか保存できますが外食となると難しいですよね。
最近ではテイクアウトOKのお店もありますが、食品衛生の観点から食べ残しを持ち帰ることはあまり推奨されていません。
そうすると、注文時に頼みすぎないことが何よりも大切になります。
一度に注文するのではなく、食べ切れる量を頼み、それでも足りなければ追加注文をする…といった方法をとれば、食べきれないといった問題はなくなるのではないでしょうか。
5SDGsと食品ロスについてのまとめ
いかがでしたか?
日本での食品ロスの現状を知って驚いた方も多いのではないでしょうか。
食品ロスを削減するためには飲食業などの企業努力はもちろん、私たち消費者ひとりひとりが「過剰に購入しないこと」も大切です。
“食”という誰でも関わる問題なだけあって、私たちの普段の行動一つもSDGsの目標達成の結果へとつながります。
今回の「食品ロス」の現状を踏まえて、今までの家庭での食に対する行動の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
ぜひSDGsのためにも、食品ロスを削減するためにも、私たちの将来のために、今できることをしてみてくださいね。
また、食品ロスについてさらに詳しく知りたいという方はこちらのサイトも参考にしてみてくださいね。
①食品ロスの問題とは?世界や日本の現状、行われている取り組みとは
今回焦点を当てた日本だけではなく世界についても目を向けて、世界規模での食品ロスの問題がどのような現状なのか、取り組み方法についても解説してくれているサイトです。
気になる方はぜひ覗いてみてくださいね。
②SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」達成のために食品ロスについて学ぼう
SDGs目標12にピックアップして、食品ロスについて詳細を解説してくれているサイトです。
増え続ける食品ロスの現状と食品ロスの削減への取り組みについても詳細を紹介してくれているので、食品ロスの問題解決について働きたいという方はぜひ覗いてみてくださいね。
《参考サイト》