2020.11.12

SDGsの健康と福祉に関する課題とは?【世界編】

「SDGs」とは『Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)』の略で、「持続可能な開発目標」という意味です。
 

実は国を挙げて取り組んでいる「SDGs」
最近では、メディアでも取り上げらることが多いので目にする機会が増えてきましたよね。
 

そんな「SDGsについて」今回は健康や福祉の観点を中心にご紹介致します。

今後私たちの未来に関わる大切な内容なので、ぜひ最後までご覧ください。

 

1「SDGs」ってなに?

先ほど国をあげて取り組んでいる目標だと説明しましたが、SDGsは日本国内だけの目標ではありません。

そもそも「SDGs」が目標として採択されたのは、2015年9月の国連サミット。

2030年までの目標として『国連に参加している国』が各々この「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのがはじまりです。

 

ここで注目すべきポイントが「世界共通の目標」ということ。

SDGsが採択されるまでは、発展途上国向けにMDGsという目標が設定されていました。しかし、こちらは私たちが住んでいる日本を含む先進国は含まれていなかったため、目標達成はできずに終わってしまいました…
 

そこで、「MDGsに含まれていた目標はなにも発展途上国だけが達成するべきものではない。先進国も“自分たちのこと”ということを忘れずに、今後の地球のため、将来のためにも、持続可能な開発目標を世界共通で達成すべきだ」という結論にたどり着きました。

その結果、“2030年まで”という期間を設けて、国連に参加している先進国もあわせて“193カ国”がこの目標を達成しようと決定するのです。

それが「SDGs」のはじまりです。

 

SDGsの課題17項目をチェック☆

「SDGs=持続可能な開発目標であり、世界各国が自分たちのこととして考えてその目標を達成させるために行動する」ということがわかったところでSDGsの中身である目標を見ていきましょう。

SDGsでは「誰も置き去りにしない」世界を目指して大きく17の目標が設置されています。

 

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

 気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

 海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

といったように大きく分けて17の目標があります。

当たり前のこと、が多いですよね。でも、その当たり前は今私たちが裕福に特段困ることもなく過ごせているから。

 

先ほども説明したとおり、SDGsは世界共通の目標です。そのため、私たちの当たり前が与理前じゃない国もたくさんあります。

だからこそ、他人事としてSDGsをスルーするのではなく自分たちのことだ、という意識を持って目標達成のために動くことがとても大切。

 

「でも、いきなりそんなこと言われても何がどうなのか…具体的にはわからない」といった方も中にはいらっしゃいますよね。

 

そこで今回は、17あるうちの目標のひとつ「すべての人に健康と福祉を」の項目をさらに掘り下げてみていきましょう!

 

2「すべての人に健康と福祉を」目標達成のために知っておくべき世界の課題

「すべての人に健康と福祉を」といわれてもピンときませんよね。

そこでSDGsで定義されているターゲット13項目をここで一度目を通してきましょう。

 

▷SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲット◁

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲット

No

内容

1

2030 年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生 10 万人当たり 70 人未満に削減する。

2

すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生 1,000 件中 12 件以下まで減らし、5 歳以下死亡率を少なくとも出生 1,000 件中 25 件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び 5 歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。

3

2030 年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。

4

2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて 3 分の 1 減少させ、精神保健及び福祉を促進する。

5

薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。

6

2020 年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。

7

 2030 年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする

8

すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。

9

2030 年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。

10

すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。

11

主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。

12

開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。

 

13

すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。

 

このように細かく13項目の目標が決まっています。

ではこの中でも特に『世界での課題』だといわれている問題について見ていきましょう。

 

①乳幼児の死亡問題

2017年には5歳になる前に命を落とす子どもたちは、540万人いたといわれています。

さらに、生後1ヶ月の間に亡くなった新生児の数は250万人と半数近くを占めているんです。

とても悲しいことですが、世界では乳幼児の死亡問題は日常茶飯事で起きているとこもあります。

実際にサハラより南のアフリカ地域では死亡した半数の子どもである50%を占めているんです。

 

このように開発途上国の乳幼児の死亡問題は深刻な課題として世界でも取り上げられています。

 

②妊産婦の死亡問題

子どもだけがなくなるわけではありません。

日本では充実した出産環境が提供されていますが、それでも出産に伴う妊婦の死亡事故はあります。いくら環境を充実させても、妊婦がなくなってしまうこともあると考えると、出産環境が整っていない地域での妊婦の死亡事故が多いのは想像がつきますよね。

 

開発途上国の妊婦死亡率は、日本を含む先進国の約14倍だといわれています。

それでも2000年から比較すると37%ほど低下はしていますが、まだまだ完璧とはいえません。

妊産婦ケアは充実してきていますが、開発途上国での妊産婦の死亡率も世界規模で見た時には課題だと言われています。
 

③予防接種の重要性

日本では幼少期に、百日咳や麻疹・風疹の予防接種を受けますよね。

しかし世界規模で見た時には予防接種はまだまだ一般的ではありません。

開発途上国では予防接種をするだけの余裕がない家庭も多く、その分多くの子どもたちが麻疹や風疹などの感染症で命を落としています。

ほかにもHIVやエイズなど、望まない性被害を受けた女性たちも感染症によって命を落としているんですよ。

 

しかし、2017年時点では募金などの財源を使用して200~300万人が予防接種によって助かっているんです!

現在よりもさらに予防接種が行われていけば、もっと多くの方の命が助かります。

 

予防接種にどうやって向き合い、どうやって支援していくかも、世界規模で見た時の課題のひとつですね。

 

4 SDGs目標3への取り組み方は?もっと詳しく調べたい場合におすすめのサイト

SDGs目標達成のためにできることや、日本の課題についてを紹介してきましたが、ここでオススメのサイトを2つ紹介します。
 

SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」で解決するべき問題と現状とは

今まで説明してきた世界でも問題視されている福祉や健康問題。

こちらのサイトでは表を使用して、以前と比較してどのように福祉の問題が変化してきていたのか、そしてポイントごとに重要なことをまとめてくれているのでとても読みやすいサイトです。

さらに課題解決のために、自分たちが何ができるのかということもまとめてあるので、どのように行動したらいいのかわからない、もっと詳しく世界の問題について知りたい!と言った方にはおすすめのサイトです。

 

SDGs:目標3「すべての人に健康と福祉を」

SDGsに関わる課題をすべて箇条書きでポイントにまとめてくれているサイトです。

それぞれの項目がどのように問題なのか、そして実際の数値はどうなのかを知りたい場合にはこちらのサイトがおすすめ。

さらに、インタビュー記事や課題と向き合う方法なども別コラムとしてまとめられているので、実際に他の人がSDGsとどのように向き合っているのか気になるという方は、こちらを見てからインタビュー記事へと目を通してもいいかもしれません♪

 

5 SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」のまとめ

いかがでしたか?

今回は「健康と福祉」の世界的課題とはなにかについてみていきました。
私たちの知らないところでは、毎日たくさんの方が命を落としています。
その原因が何か、課題が何かを理解するとその後の行動へつながりやすくなりますよね。
 

SDGsは世界共通の目標。持続可能な開発をするために、私たちもひとりひとりが意識して取り組むことが何よりも重要になります。

福祉や健康といった点からSDGsの課題について向き合いましたが、もしも少しでも力になりたい!と思うのであれば寄付や募金活動などに取り組んでみてくださいね。

あなたの行動がSDGsの目標達成と健康や福祉の課題で悩んでいる方の手助けになるはずですよ。

 

《参考サイト》

2020年世界のSDGs達成度ランキング|目標ごとの成果と課題

持続可能な開発目標のために行動を起こす