2020.12.02

SDGsに関わるサスティナブルシーフードとは?意味や事例をわかりやすく解説します

14.海の豊かさを守ろう

「サスティナブルシーフード」や「SDGs」という言葉を聞いたことはありますか?
どちらも初耳、どちらかは聞いたことあるけど片方はわからない…といった方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は「SDGsとサスティナブルシーフードについて」ピックアップ☆

SDGsってなに?サスティナブルフードってなに?という方のために、事例を含めて詳しく解説していきますよ!
 

はじめに SDGsについて知っておこう!


SDGsとは「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味です。

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標で、2030年までの目標として国連に参加している193ヵ国が各々この「SDGs」を達成するために行動を起こしています。

ちなみに、あくまでも目標でゴールを目指しているので、読み方は「エスディージーズ」
「エスディージーエス」ではないので気をつけてくださいね。

そんな「SDGs」には大まかに分けて17項目の目標が設定されています。

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

 気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

 海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

以上17項目のように、それぞれの目標のテーマが決められています。
さまざまな分野を網羅していますよね。

当たり前のことはもちろん、最近取り上げられやすいジェンダー問題や地方創生に関わるまちづくりなど…
私たちに関わることが多く掲げられているんですよ。

この17項目からそれぞれのターゲットがあり、もっと細かく分類されているのも特徴ですが、すべてを紹介してしまうと長くなり過ぎてしまうので、今回はここまで!

 

SDGsについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらをチェックしてみてくださいね。

ノハム|SDGsをわかりやすく丁寧に教えるサイト

 

2サスティナブルシーフードとSDGs

SDGsでも出てきましたが、サスティナブルとは「持続可能な」という意味を表します。

サスティナブルシーフードとは、持続可能なシーフード?といったように思う方もいらっしゃいますよね。

考え方としては正解です!

正しくは…

『サスティナブルシーフードとは、洋環境に配慮された漁業で獲られた魚介類のこと」を指します。

もう少し噛み砕いて説明すると、『持続可能な漁業・水産業で獲られた魚介類のこと』です。

では、さらに「サスティナブルシーフード」について掘り下げていきましょう。
 

サスティナブルシーフードとSDGsの項目をみていこう!

サスティナブル(=持続可能な)=ずっと未来にも続いていけるように、将来も魚を食べられるように、サスティナブルシーフードは島国である日本が積極的に取り組まなければいけない課題であり、注目すべき食材です。

 

また、先ほども説明したとおりサスティナブルシーフードはSDGsと関わりがあります。

17項目の中でも特に14番目の目標「海の豊かさを守ろう」という項目では、水産資源の保全が謳われているんです。

 

SDGs14「海の豊かさを守ろう」

No

ターゲット

1

2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

2

2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。

3

あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。

4

水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

5

2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。

6

開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。

**現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。

7

2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。

 

8

海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う

9

小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。

10

「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

 

サステナブル・シーフードとは・意味

こちらのサイトではサスティナブルシーフードについて端的にまとめられています。

サスティナブルシーフードとはなにか、そして日本や企業ではどの程度サスティナブルシーフードが出回っているかなどの調査結果もまとめられているので、気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね。

 

サスティナブルシーフードとSDGsの環境課題

SDGs目標14とサスティナブルシーフードに関わりがあることは分かったけど、実際どのような問題があってサスティナブルシーフードが注目されているのか気になりますよね。

では、サスティナブルシーフードを選択するとどのようなメリットあるのかを少しみていきましょう!

 

・食品ロスの削減につながる!

捕獲された魚が全て市場に出たり、消費されるわけではありませんよね。

傷ついてしまった魚や、大きさが基準に満たない…などの規格外商品や、生ものだからこその売れ残りなど…本当は食べられるのに廃棄されてしまうこともあるのではないでしょうか。

このように『まだ食べられるのにも関わらず食品を廃棄することを食品ロス』といいます。
 

サスティナブルシーフードは、このような『食品ロス』にも配慮して捕獲されるためSDGsの目標達成に大きく貢献すると考えられています。

さらに食品ロスの問題はほかのSDGsの項目でも注目されているので、まさに一石二鳥なんですよ♪

 

3サスティナブルシーフードは日本人にとってとても身近なものになる!?

たとえば、土用の丑の日で知られる「うなぎ」

こちらは年々捕獲量が減ってきていて、価格も高騰しているのはニュースでもよく取り上げられていますよね。

捕獲量が減少するということは、漁業関係にも大きく影響は出てきます。
収穫できるうなぎが少ないとなればその分の売り上げも低下しますよね?
そうなると必要経費を削減したり…とデメリットがたくさんあります。

 

今あるから捕獲してもいい!と言ってあるだけ捕獲してしまえば、今のうなぎの問題のように近い将来うなぎを食べれる日が来なくなる可能性もあるんですよ!

 

実際に世界での水産資源のほぼ30%は乱獲されているというデータも…

さらに日本人は食用魚介消費ランキングでも3位という上位にランクインしているので、SDGs14は日本人にとっては身近な課題といえるんです!

そのため日本人である私たちは積極的にサスティナブルシーフードを選択する必要があるんですよ。

 

サスティナブルシーフードの見分け方ってあるの?

サスティナブルシーフードには、それを示す認証や基準があります。

①MSCラベル

水産資源と環境に配慮した漁業で獲られた天然の水産物

②ascラベル

環境と社会への影響を最小限にして育てられた養殖の水産物

こちらのふたつが有名で、簡単にまとめるとMSC=天然、asc=養殖となります。
養殖だから味が劣る…なんてこともなく、きちんと認証を得て提供されているので味も◎

日本のスーパーなどで販売している商品にもパッケージにMSC認証、ASCラベルといったように記載されているので、鮮魚コーナーで探してみてくださいね♪

 

3サスティナブルシーフードの取り組み事例と私たちにできること


サスティナブルシーフードの重要性とSDGsについて理解できたところで、
・実際にどのようにサスティナブルシーフードを取り入れているのか
・私たちにできることはなにか
の2点についてみていきましょう。

サスティナブルシーフード空港誕生!

イギリスのヒースロー空港では、世界初の「サスティナブルシーフード空港」となることが発表されました。

空港内にあるすべての飲食店が、サスティナブルシーフードを提供するとして注目を浴びています。

英ヒースロー空港、世界初の「サステナブル・シーフード空港」に認定

こちらのサイトではヒースロー空港で具体的にどのような、サスティナブルシーフードが提供されているのかが紹介されています。

どのような魚を、どのような漁業で捕獲して提供しているのか、など責任者のコメントも含めて紹介されているので、気になる方はこちらをチェックしてみてくださいね☆

 

エコバッグを持つ

え、そんなこと?と思う方もいらっしゃいますよね。
このレジ袋有料化はSDGsのいろんな項目に関わってきているんですよ。

実はプラスチックゴミの影響を受けているのは海に住む生物たち。

いろんな理由でポイ捨てされたプラスチックごみは風や雨などで運ばれて、最終的にはそのほとんどが海に辿り着きます
このプラスチックゴミは、多くの魚の胃へ入り、消化できないまま窒息死してしまいます。その影響を一番に受けているのはウミガメです。

ウミガメの主食はくらげのため、レジ袋が浮遊する姿がクラゲと似ていることから誤食してしまうんです。
私たちの心ない行動が、実は多くの海の生き物の命を奪ってしまっている、ということを考えるとゴミに対しての意識も多少変わるのではないでしょうか。

 

4サスティナブルシーフードの意味や事例についてのまとめ

いかがでしたか?

お魚は私たちが日本で暮らす上で切っても切り離せないもの。
そんな魚を将来もずっと食べ続けられうように私たちは、SDGsの目標達成を目指すとともにサスティナブルシーフードを選択していく必要があります。

 

【今回ご紹介した内容まとめ】

・SDGsについて
・SDGs目標14とサスティナブルシーフードの関係
・サスティナブルシーフードとはどんなものなのか
・サスティナブルシーフードの事例
・サスティナブルシーフードを選択して、私たちにできること について紹介しました!
 

ノハムでは他にもSDGsやサスティナブルな食材についても紹介しているので気になった方は他のコラムにも目を通してみてくださいね♪

 

《参考サイト》

サステナブル・シーフードを社員食堂に日本で初めて継続的に導入