2021.02.12

SDGs上位国家の取り組み事例を紹介!【デンマーク編】

近年、日本でも企業が導入したことによって注目されている「SDGs」

ニュースでも「サスティナブル」「環境保護」などの言葉を耳にする機会が増えたなぁ…と気づいている方もおおいのではないでしょうか?

 

そこで今回は「SDGsに取り組んでいる国としても有名なデンマーク」をピックアップ。

「SDGsとはなにか」「デンマークのSDGsとの関係」「デンマークのSDGsに対しての取り組み」についてご紹介いたします。

ぜひ、最後までご覧ください★

 

1デンマークをはじめ世界で取り組まれている「SDGs」

SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味になります。

 

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標です。

“2030年まで”という期間を設けて、世界共通の目標を国連に参加している国が各々「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのが始まり。

ここでまずひとつ押さえておくポイントが、「目標でゴールを目指しているので、読み方は『エスディージーズ』」となること。

意外と間違えて覚えている方が多いので、SDGs=世界共通の目標ということだけは覚えておきましょう!

 

●SDGsの前にはMDGsがあった

SDGsの目標はMDGsという開発途上国向けの目標が基盤になっています。

このMDGsはSDGsを採択する以前に設けられていた目標で、MDGsが失敗したことを受けてSDGsが新しく採択されることに決まりました。

 

このMDGsの失敗を受けて、SDGsでは先進国も含めた目標を新たに加えたものとして設定されているのがMDGsとの大きな違いです。

 

そして新たに設定されたSDGsでは「誰も置き去りにしない世界」を目指して大きくわけて、17の目標が設置されています。

「誰も置き去りにしない世界」を目指して

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

2デンマークはSDGsに貢献しているって本当?

2020年7月に国連が「The Sustainable Development Goals Report 2020」を発表しました。

 

こちらのレポートでは、SDGsの17目標別の世界での達成度を点数化しランキングとしてまとめられました。

 

デンマークは以前から「SDGs」に力を入れている国として他国からも注目されていましたが、1位のスウェーデンとも僅差なのが特徴です。

 

ではSDGsのランキング上位にあるデンマークではどうしてSDGsがこんなにも普及しているのでしょうか?

順位

国名

ランキングスコア

1

スウェーデン

84.7

2

デンマーク

84.6

3

フィンランド

83.8

4

フランス

81.1

5

ドイツ

80.8

6

ノルウェー

80.8

7

オーストラリア

80.7

8

チェコ共和国

80.6

9

オランダ

80.4

10

エストニア

80.1

 

①オーガニック食材の利用率が高い

そもそものお話になりますが、デンマークではオーガニック食材の利用率が高いことで有名です。

オーガニックと聞くと体にいい、無農薬などのイメージが浮かびますよね。

 

オーガニック食材がどうしてSDGsに関わりがあるのかというと、最近オーガニック食材がサスティナブルフードとして注目されているからなんです。

 

サスティナブルフードとは、持続可能な食品のことです。

サスティナブルフードは大量生産、大量消費のような効率主義の食品とは異なり、

・無農薬で育てられた野菜

・お肉の代わりに大豆ミートを使用する などといったものを指します。

 

このサスティナブルフードにオーガニック食材が含まれることによって、デンマークは自然とSDGsに貢献しているという形になりました。

 

《参考サイト》

ORGANIC DENMARK

 

②ジェンダーギャップは年々縮まっている

日本ではジェンダーに対する課題が山積みですが、デンマークではジェンダーに対するギャップが年々縮まっているのが特徴です。

 

どういうことかというと、身体的特徴だけで相手を判断したりしないことや、女性だから・男性だからという理由で仕事や家事を放棄したりないといったことに繋がります。

 

従来より北欧は、日本と比較しても育児がしやすい地域として有名でした。

そんな北欧の育児に対する価値観が、ジェンダーでも反映されている形となっています。

 

また、デンマークはLGBTの平等に対しても先進国の中でも進んでいることも特徴です。

日本ではいまだに理解が難しいLGBTですが、デンマークでは同性婚の合法化や、同性愛は疾患とみなさないなど、ジェンダーに対してとても寛容なんですよ。

 

LGBTの種類

LGBTとは、生まれつきの性別ではなく、カラダと心の性が違う人や恋愛対象が同じ性別の人などのことを指す。

レズビアン(女性同性愛者)

カラダは女性で、恋愛対象も女性

ゲイ(男性同性愛者)

カラダは男性で、恋愛対象も男性

バイセクシャル(両性愛者)

男性も女性も恋愛対象

トランスジェンダー

生まれた時の性別と自分で認識している性別が異なる人の

 

《参考サイト》

デンマークにおけるLGBTの就労をめぐる状況

 

3デンマークの取り組み事例ってどんなものがあるの?

では、実際にデンマークではどのような取り組みを行なっているのでしょうか?

事例を交えながらみていきましょう!

 

①食品ロスを5年で25%減らした女性

SDGsの中でも特に問題視されている「食品ロス」

そんな食品ロスの問題に対し、一部の女性たちが声をあげて取り組んだことにより5年間でデンマーク全体の食品ロスに25%削減させることに成功した事例があります。

 

賞味期限表示による食品ロスを減らすために、余剰食品をスマートフォンアプリを介して低価格で提供するという取り組みを行いました。

 

賞味期限は、食べられなくなるわけではなく美味しさの目安にすぎないことは日本でも周知されていますよね。

しかし、賞味期限と消費期限を混同してしまう方が多いのは万国共通らしく…

 

デンマークでは賞味期限が過ぎてしまったからという理由で廃棄してしまう方が多かったそうです。

そこで、賞味期限が過ぎても捨てずに必要な人が購入できるようにしようといった考えから誕生した、こちらのサービスは「食品ロス削減」に大きな効果をもたらしました。

 

さらにデンマークの食品ロス削減の成功事例にならい、スウェーデンでも取り組みが評価されて取り入れられたほどなんですよ!

 

②エコプロジェクトを発足

デンマークでは「UN17 Village」というSDGsの17目標すべての達成を目指すエコプロジェクトが発足されました。

 

2030年までに持続可能なエコビレッジをつくり、2023年にはコペンハーゲン南部に広さ35,000平方メートルのビレッジがが完成する予定となっています。

 

このエコビレッジでは、

・建物それぞのれ屋根にはソーラーパネルを設置

・屋上には庭園をつくってさまざまな生き物の住処を提供 することに取り組まれています。

 

日本でも建築業界ではエコに対して積極的に取り組まれており、国からは多額の寄付金が支払われるような制度がつくられています。

 

しかしデンマークはさらにその上をいき、エコなビレッジをつくろうというプロジェクトを取り入れています。

 

こういったエコ活動に対して積極的なのもデンマークの特徴であり、SDGsに大きく貢献している結果を残しています。

 

《参考サイト》

SDGsの「17目標すべて」に取り組む。デンマークのエコ・ビレッジ建設プロジェクト

 

③男性の育児参加率の高さ

日本ではいまだに「女性が育児を主体で行うもの」「男性は育児を手伝うもの」といった考えが根付いていますよね。

 

先ほども紹介しましたが、デンマークをはじめとする北欧では「男性の育児の参加率」が日本の比にはなりません。

さらに、育児は夫婦で協力して行うもの、子どもは夫婦で育てるものという考えが根幹にあるため、父と子どもという組み合わせが日本以上に多く見かけられます。

 

また、SDGsのジェンダーの課題を踏まえて、以前以上に男性の育児の参加や家事の参加が増えてきているんですよ。

 

3デンマークについてもっと知りたい場合におすすめのサイト

今回ご紹介しきれなかった分や、さらにデンマークに対してもっとよく知りたいという方におすすめのサイトです。

 

SDGs達成度世界2位の国、デンマークに学ぶサステナビリティ

こちらのサイトでは、今回ご紹介した取り組みの一部を実際のデンマークの写真を掲載しながらさらに掘り下げて紹介されています。

デンマークのよいところやSDGsへの達成度を受けて日本ではどのように向き合えばいいのかについても言及しているので、デンマークの現状と日本の受け止め方について気になる方におすすめのサイトです。

 

SDGs世界ランキング1位デンマーク 企業と行政は何にどう取り組んでいるか:SDGs世界レポ(1)

こちらでは、デンマークの企業や行政がSDGsに対してどのように取り組んでいるのかを実例をもとに解説しています。

さらに日本はデンマークからどのようなことが学べるのかについても客観的にまとめられているので、デンマークの事例と日本の課題について学びたい方にはおすすめのサイトです。

 

「環境保護は当たり前」世界1位のサスティナブル先進国デンマークが描く持続可能なビジネスとは

こちらのサイトでは、デンマークの光景とともにどのようにデンマークの日常にSDGsが入り込んでいるのかについて焦点をあててまとめられています。

さらにデンマークの企業の取り組みについても簡潔的にわかりやすくまとめられているので、デンマークの企業がどのようにSDGsを取り入れているのか気になるという方にはおすすめのサイトです。

 

4デンマークから学ぶことはたくさんある!

いかがでしたか?

 

今回ご紹介した内容のまとめです。

【SDGsランキング上位のデンマークについて】

・SDGsとは?

・デンマークの現状

・デンマークのSDGsに対しての取り組み事例 について解説してきました。

 

デンマークの取り組みから学ぶことはたくさんありましたね。

すべてを取り入れられるわけではありませんが、デンマークでの考え方や取り入れ方を参考に日本でもSDGs目標達成のために積極的に活動していきたいですね。

 

《参考サイト》

SDGs(持続可能な開発目標)17の目標&169ターゲット個別解説(イマココラボ)

SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT(193の国連加盟国全てのランキング)

The 2019 SDGs

LAB

SDGsに関する日本の課題とデンマークから学ぶ解決策

DISIE

OECD Economic Survey Denmark