2021.01.13

SDGsの目標3のための取り組み事例を紹介します【企業編】

健康な生活を送ることは、誰もが望んでいることですよね。

世界に目を向けても誰もが同じことを望んでいるはずですし、健康であるということは生活する上で最低限求められることなのではないでしょうか?

 

そこで今回は「SDGsの目標3~すべての人に健康と福祉を~」をピックアップ。

「SDGsについて」「SDGsの目標3が必要な理由」「SDGsの目標3を取り入れている企業の事例」を紹介いたします♪

 

1「SDGs」ってなに?


「SDGsとは、Sustainable development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)の略で、持続可能な開発目標」です。

 

この「SDGs」は2015年9月の国連サミットで採択されました。

2030年までを一区切りとして「SDGs」の目標を達成するために、『国連に参加している国すべて』が取り組みましょうという内容となっています。

 

2SDGsの目標とSDGs目標3の内容って?


SDGsでは「誰も置き去りにしない世界」を目指して大きく17の目標が設置されています。

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

SDGsはMDGs(開発途上国向けの目標)の失敗の反省を受けて採択したものなので、目標によってはそんなことまで?というものがあるかもしれません。

 

ここでのポイントは、“SDGsの目標は世界に目を向けたときの目標”になるということを頭に入れておきましょう!

 

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲット

SDGsの目標はおおまかにわけて17項目ですが、それぞれの目標ごとにターゲットが設けられています。その数なんと169個!

 

今回は目標3「すべての人に健康と福祉を」に焦点を当てているため、こちらのターゲットもみてみましょう!

 

SDGs 目標3「すべての人に健康と福祉を」

No

ターゲット

1

2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人あたり70人未満に削減する。

2

すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25人以下まで減らすことを目指し、2030ねんまでに、新生児および5歳未満寺の予防可能な死亡を根絶する。

3

2030年までに、エイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処する。

4

2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健および福祉を促進する。

5

薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。

6

2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。

7

2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。

8

すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセスおよび安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。

9

2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡およびし疾病の件数を大幅に減少させる。

a

すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。

b

主に開発途上国に影響を及ぼす感染症及び非感染症疾患のワクチンおよび医薬品の研究開発を支援する。

また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)および公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品およびワクチンへのアクセスを提供する。

同宣言は公衆衛生保護および、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。

c

開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国において保健財政および保健人材の採用、能力開発・訓練および定着を大幅に拡大させる。

d

すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和および危険因子管理のための能力を強化する。

 

ごくごく当たり前のようですが、実はこれがとても大切なんですよ。

ではどうして、こんなに細かい設定を設けないといけないのでしょうか?

 

2 SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」が必要な理由って?

「健康とは、病気でないとか、弱ってないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」とWHO(世界保健機関)が定義しています。

 

SDGs目標3が設定された理由は、日本を含め世界の健康の背景に理由があります。

 

長寿=健康はもう古い!?

日本に住んでいて、少子高齢化という言葉を知らない方はいないのではないでしょうか。

 

それぐらい日本では少子高齢化が問題視されています。

生まれてくる子どもが少ないということは、将来の働き手が少ないということを意味します。

そして働き手は少ないのにもかかわらず、今後も高齢者が増加していく現状は今後の私たちの生活を大きく変えてしまう恐れがあります。

 

社会保険は働き手が税をおさめることで、財源が生まれます。

働き手が少なくなると、その分の財源が少なくなってしまいますよね。

そうなると今まで自己負担額が少なく済んだ医療も、自己負担学が増えてしまう可能性が…

 

その他にも、「老老介護」や「介護疲れ」といった言葉もあるように、自宅で介護をしたり高齢者が高齢者を介護するといった問題も浮き彫りになってきました。

 

長寿=健康というのはもう考え方としては間違いで、健康寿命=健康という方が正しいんです。

このように日本でも健康の問題は深刻になっているんですよ。

 

医療サービスの偏り

先ほどのように日本でも医療サービスを今は受けられていますが、今後も安定して受けられるかはわかりません。

 

さらに、世界では基礎的な医療サービスを受けられない人が多くいます。

貧困が原因で受けられない、医療サービスが日本より充実していないなど理由はさまざまですが、この問題はとても深刻なもの…

 

その最たる例として挙げられるのが「幼児の死亡率の高さ」「感染症予防」の2点です。

 

①世界の幼児死亡率

世界では5歳を迎える前に亡くなる子どもたちが年間約560万人いるといわれています。

満足な医療サービスが受けれない、予防接種を受けるためのお金がない…など原因はたくさんあります。

 

②感染症の予防ができない

「HIV」や「マラリア」「インフルエンザ」をはじめ、世界でも問題になっている感染症は開発途上国だけの問題ではありませんよね。

 

日本でも毎年感染症が流行する時期になるとニュースでも予防を呼びかけるほど、重要なものです。さらにワクチン不足になったりしてニュースで取り上げられることもありますよね。

 

ワクチンが不足してその分補填できるのであればいいですが、世界に目を向けたときにはワクチンを購入する費用がない国もたくさんあります。

そうなると感染症にかかり最悪の場合命を落とすことも…

 

こういった背景から、SDGs目標3の「すべての人に健康と福祉を」はとても重要だということがわかるのではないでしょうか?

 

4 SDGsの目標3を達成するために企業が取り組んでいることって?

SDGs目標3では、さきほどのような背景を受けて日本でもさまざまな取り組みが行われています。

それでは、日本の企業ではどのような取り組みを行なっているのかをみていきましょう★

 

①株式会社ヤクルト

ヤクルトは誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

女性が自転車に乗りながら販売していたり、スーパーでもよく見かけたり、お子様からご高齢の方まで愛されているドリンクですよね♪

 

そんなヤクルトを販売している株式会社ヤクルトでは、

・子ども向けの「出張授業」

・大人向けの「健康教室」 をSDGsの取り組みとして取り入れています。

 

ヤクルトドリンクのコンセプトは「腸にいいこと」というのは、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

そんなヤクルトのコンセプトである「腸にいいこと」を基盤にして、健康になるための知識やノウハウを年齢問わず広めているんです。

 

こういった健康に関する正しい知識を広めることもSDGsの目標達成のためにはとても重要なんですよ!

ヤクルトCSRコミュニケーションブック2019

 

②株式会社コーセー

女性なら誰もが一度は目にしたことがある化粧品メーカー「コーセー」

プチプライスなコスメはドラッグストアやコンビニでも見かけることが多いので、一度は手にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

そんなコーセーでは、

・スキンケアによるアレルギー予防

・日焼け止めを使用したポルフィリン患者(紫外線などによって症状が出る難病)のQOL向上を視野に活動しています。

 

スキンケア用品のアレルギーは使ってみないとわからないもの、も中にはありますよね。

そんな健康被害を事前に防いで安心安全な化粧品を提供するというのも、SDGsの取り組みの一つなんですよ。

 

株式会社コーセー サスティナビリティ方針

 

③住友化学株式会社

住友化学株式会社は、住友グループの大手総合科学メーカーです。

そんな大手企業が取り組んだ事例として注目されたのが「蚊帳」

 

就寝中にマラリアに刺されて病気になる人を減らすために、ポリエチレンにピレスロイドという防虫剤を練り込んだ蚊帳を製品化しました。

この蚊帳は、世界保健機関(WHO)からも使用が推奨されているんですよ!

 

背景でも説明しましたが、世界では感染症で亡くなる方が多くいます。

日本ではあまり使用しなくなった蚊帳も、世界でみた場合にはとても重要なアイテム。

そんな「蚊帳」をサスティナブルに開発して、提供することはSDGsの目標3達成のために大きく貢献しています。

住友化学株式会社 サスティナビリティ

 

④エコワークス株式会社

建築業界でもSDGs目標3については注目されています。

その中でも福岡に拠点を置く建築会社の「エコワークス株式会社」では、人にやさしい家をコンセプトに建築材料を提供しています。

 

具体的には、

・合板ゼロ

・無染土無着色たたみ

・高調湿性能の珪藻土

・天然植物油100%塗料

・和紙クロス などのこだわりの自然素材を使用して建築しているんです。

 

こういった人にやさしい建築材料は、シックハウス症候群という建材や化学物質が原因で起こる健康被害を対策することにつながります。

 

SDGs目標3のターゲットでも、「有害化学物質による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる」といったないようがあるのでこちらを達成するためにも、とても重要な取り組みなんですよ。

 

シックハウス症候群とは?

エコワークス株式会社 SDGs

 

5 企業や自治体の取り組み事例を紹介しているおすすめサイト3選

今回ご紹介した企業以外にも、自治体やNPO法人などの取り組みが知りたい!といった方も中にはいらっしゃいますよね。

そんな方のためにおすすめのサイトもあわせてご紹介いたします。

【SDGs】目標3『すべての人に健康と福祉を』の内容や企業の取り組み

こちらのサイトではSDGs目標3の目標達成のために取り組んでいる企業の紹介を行っています。どの取り組みがどのような目標を達成しているのかなどについても紹介されているので、ターゲットとあわせて考えたい方におすすめのサイトです。

企業ができる取り組みとは:SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』

こちらのサイトでは、SDGs目標3の取り組みを国内企業や海外で活動するNPO法人の事例も紹介しているサイトです。国内だけではなく海外の取り組みが知りたいといった方におすすめのサイトです。

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」~世界中の全ての人が健康で長生きするためにできることは~

こちらのサイトでは、SDGsの目標3を医療の面を中心に紹介しているサイトです。

実際の取り組みや世界での現状をふまえて紹介しているので、医療の観点からSDGsの取り組みをもっと詳しく知りたいかたにおすすめのサイトです。

 

6 健康という問題だからこそ積極的に!

いかがでしたか?

それでは今回のおさらいです。

【SDGsの目標3~すべての人に健康と福祉を~】

・SDGsについて

・SDGs目標3が必要な背景

・SDGs目標3に取り組む企業の事例

・おすすめのサイト についてご紹介いたしました。

 

健康という問題は私たちの生活の中で切っても切り離せません。

だからこそ私たちは、SDGsや健康の問題に向き合い積極的に取り組んでいく必要があります。

今回ご紹介した企業の取り組みのほかにも、NPO法人を通じて私たちひとりひとりが取り組めることもあります。

 

ぜひ、SDGsの目標達成のためにも、ご自身の健康維持のためにも行動をしてみてくださいね♪

 

《参考サイト》

【SDGs 3.すべての人に健康と福祉を】はどう実現する?

健康とは(WHO)