2020.11.07
SDGsの目標2のためにできることをわかりやすく紹介します
今回はそのなかから目標2『飢餓をゼロに』にスポットを当ててご紹介します★
「飢餓ってなに?」
「日本に住んでいるから関係ないでしょ!」
飢餓というと、日本に住んでいる私たちには関係が無いことと思う方もいるのでは?
SDGsでの取り組みや私たちが飢餓のためにできることをわかりやすくご紹介します。
■SDGsとは|2030年にあるべき世界の形
2015年に開催された『持続可能な開発サミット』で採択された国際目標がSDGs。
SDGsはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)から頭文字を取って名付けられており、その内容は17の目標と169のターゲットで構成されています。
No. | 目標 | 条文 |
1 | 貧困をなくそう | あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ |
2 | 飢餓をゼロに | 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する |
3 | すべての人に健康と福祉を | あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する |
4 | 質の高い教育をみんなに | すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する |
5 | ジェンダー平等を実現しよう | ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る |
6 | 安全な水とトイレを世界中に | すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する |
7 | エネルギーをみんなに そしてクリーンに | すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する |
8 | 働きがいも経済成長も | 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する |
9 | 産業と技術革新の基盤をつくろう | 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る |
10 | 人や国の不平等をなくそう | 各国内及び各国間の不平等を是正する |
11 | 住み続けられるまちづくりを | 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する |
12 | つくる責任 つかう責任 | 持続可能な生産消費形態を確保する |
13 | 気候変動に具体的な対策を | 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる |
14 | 海の豊かさを守ろう | 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する |
15 | 陸の豊かさも守ろう | 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する |
16 | 平和と公正をすべての人に | 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する |
17 | パートナーシップで目標を達成しよう | 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
▼SDGs169のターゲットはコチラをチェック
・ノハム|SDGsの目標とターゲットまとめ!ロゴと共に紹介します
これらの目標を2016年から2030年までの15年間で達成するために国際社会全体でSDGsに取り組む活動を行っています。
〇ターゲットの意味
国際社会全体で抱える課題は、人に関することから環境、社会性に至るまでさまざま。目標達成のためのターゲットを細かく定めることで、同じ方向性でSDGs活動に取り組めるだけでなく、自国と他国を容易に比較できる“ものさし”としての役割も担います。
■SDGs目標2は飢餓を無くすための目標
目標2は飢餓を無くすための目標です。
ここでは、飢餓2のターゲットを踏まえて見ていきましょう。
〇目標2のターゲット
SDGs『目標2:飢餓をゼロに』のターゲット | |
No. | 内容 |
2.1 | 2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層および幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。 |
2.2 | 5歳未満の子どもの発育障害や衰弱について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養失調を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦および高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。 |
2.3 | 2030年までに、土地その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場および高付加価値や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民族、小規模な家族経営の農家、牧畜家および漁師をはじめとする、小規模食糧生産者の農業生産性および所得を倍増させる。 |
2.4 | 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水およびその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。 |
2.5 | 2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源およびこれに関連する伝統的な知識へのアクセスおよびその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。 |
2.a | 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発および植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。 |
2.b | ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金および同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正および防止する。 |
2.c | 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場およびデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。 |
〇8億人を超える人が飢餓に苦しんでいる
国際農林業協働協会が公表した「世界の食料安全保障と栄養の現状2019年報告 (FAO)」によると、2018年の飢餓人口は推計8億2000万人以上。これは世界の9人に1人が飢餓で苦しんでいることを示しています。
飢餓・飢餓人口とは |
飢餓とは、慢性的な栄養不足になっていること。 飢餓人口は、飢餓状態にある人の数。 |
開発途上国、なかでも南アジア地域とサハラ以南のアフリカ地域は人口が多いこともあり、飢餓人口の比率が非常に高くなっています。
開発途上国では、子供が弱者となってしまうことも問題です。
赤ちゃんを含む若い人たちが飢餓を理由に命を落としてしまうことは、長い目で見れば労働力の減少を伴う国の成長や経済力に悪影響を及ぼします。
■なんで飢餓が起こるの?
飢餓を無くすためには飢餓になってしまう理由を知ることが大切。
みらいい|これですべてが分かる!【SDGs 2.飢餓をゼロに】とは?事例と家庭でできることを紹介では、食料が必要な国や地域に行き渡らないことが大きな問題としています。
飢餓には経済的な問題や環境的要因もありますが、食べ物を生産し運送するための交通機関の整備であったり、長期保存するための技術であったりと、先進国と開発途上国に差があるなか、経済成長に伴う人口増加で食料の消費量も増えています。
生産量の半分を先進国が占めているという話も!
■日本における飢餓への課題
日本では食品ロスが深刻化しています。
食品ロスとは |
食品ロスとは、まだ食べられる食品を捨ててしまうこと。 |
林水産省及び環境省「平成29年度推計」によると、日本の食品ロスは年間612万トン!
全国民が毎日お茶碗一善分の食品を捨てている計算です。
この数字は、世界の食品援助量(390万トン)よりも食品ロスが多いことを意味しています。
日本の食料自給率は38%にも関わらず食品ロスが多い日本の現状を改善するには、私たちひとりひとりの意識改革が必要です。
▼日本の飢餓状況について
・SDGs one by one|02.飢餓をゼロに
■飢餓のために私たちができること
環境の整備や多額の寄付をすることは個人では困難です。しかし、私たちができることもたくさん!
SDGs目標2達成のために私たちにできることをまとめました。
〇必要なものを必要な分だけ
先にも触れた食品ロスは、飲食店だけでなく私たちの日常でも行われています。「レストランに行って注文したものを残した」
「スーパーマーケットの特売で野菜をたくさん買ったけど痛んできてしまった」
「付属品目当てでお菓子を買ったけど中身は食べない」
こういったことが日本で深刻化している食品ロスに繋がります。
飲食店利用時における食品ロスにおいては、長野県松本市で考案された3010(さんまるいちまる)運動が注目を集めているのをご存知ですか?
これは、食事開始後30分と食事修了前10分は食事を楽しもう!という運動です。
3010運動を心掛けることで食品ロスを防げるだけでなく、お店側のゴミも減らすことができるため、食品ロスと飢餓、環境問題のそれぞれにアプローチすることができますよ♪
▼3010運動について詳しくはコチラ
・長野県|残さず食べよう!30・10(さんまる・いちまる)運動
・環境省|3010運動普及啓発用三角柱POP ダウンロードページ
3010運動に限らず、毎日の食卓を計画性を足したり、本当に今買うべきものなのかを一瞬考えたりなど、「必要なものを必要な分だけ」という意識を持つことが飢餓への支援になるので、一番身近な食事から意識を変えてみましょう♪
〇寄付による支援
飢餓に苦しむ人への支援は金銭の寄付がメインとなります。日本に住んでいる感覚だと少なく感じる金額であっても、開発途上国をはじめとする、経済的理由で慢性的な飢餓に陥っている人にとっては大きな支援に。
決して多くの金額は必要ありません。
例えば、国連WFPでは1,000円の寄付を募集しています。
1,000円あれば、開発途上国で25人の乳幼児に食糧を届けられるんだそう!
毎月1,000円、1度のみの支援どちらもOK!
飢餓に苦しむ人々に有効な支援のために使ってくれます♬
何かしたいけれどなにをしていいか分からない。
そんな時に気軽に支援ができるのが募金のいいところ!
いろいろな団体や対象があるので、チェックしてみてください。
〇イベントの開催
なにか特技がある人や、音楽活動などで日頃から自身でイベントを開催している人は、募金と紐づける形で開催してみるのも有効な支援に!また、イベント開催は、募金などに興味を示さなかった人たちに興味を持ってもらうという点においても大きな意味を持っています。〇ボランティアとしての支援
ボランティアには直接現地に行くものと、間接的に支援することの2つがあります。
取組みやすいのが間接的なボランティア。
学生でも気軽に参加できるものが多いんですよ♪
イベントの準備や運営を手伝うことで飢餓をしってもらうことの手助けに★
多くの人に知ってもらうチャンスは募金などの支援に繋がります。
〇情報の発信
飢餓の実態や参加するイベントなどを広めることも支援のひとつ。生活において欠かせなくなったSNSなどを利用し、飢餓に対しての意見や情報、取り組みといったことを発信することは不特定多数の方の目に触れる可能性を高めます。
■SDGs目標2「飢餓をゼロに」についてのまとめ
SDGs目標2「飢餓をゼロに」について、この記事では以下のことをご紹介しました。【この記事で触れた内容】
- SDGsは2030年の世界のあるべき姿を定めたもの
・ターゲットは「ものさし」としての役割もある - 目標2は飢餓を無くすための目標
・目標2のターゲット一覧
・飢餓が国際的に深刻な問題となっている - 飢餓になってしまう理由
- 日本の食品ロスの現状
- 私たちにできること
・必要なものを必要な分だけ
・募金への酸化
・イベントの開催
・ボランティア
飢餓の改善に即効性はありません。
そのため、長期的かつ継続的な支援が必要となります。
私たちができることは少ないのかもしれませんが、できる範囲、自分に無理の無い範囲で飢餓に対しての支援を考えてみてください★
以上、『SDGsの目標2のためにできることをわかりやすく紹介します』でした!