2020.11.09

SDGsの健康に関わる目標3のための取り組みについて紹介します【日本編】

3.すべての人に健康と福祉を
メディアでもよく耳にするようになったSDGs(エスディージーズ)。

SDGsは、私たちの暮らしにも影響がある国際目標です。
普通に生活をしているだけでも影響のあるSDGsですが、この記事を読んでいる方の中には、SDGsの取り組みを生活に取り入れているという方も多いのではないでしょうか?

今回はSDGsの中でも多くの方が関心を寄せている「健康」について明記された目標3「すべての人に健康と福祉を」について見ていきましょう♪
 

■SDGsをおさらいしよう!

SDGs
SDGsは、耳にするのにどういうモノなのかが分からないという方は多いです。
人・環境・社会とあらゆる分野についての目標なので無理もありません。
そこでまずはSDGsについてざっとおさらいしてみます。
 

〇SDGsは2030年の未来に向けた目標

2015年に「国連持続可能な開発サミット」で採択されたのが、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)、頭文字を取ってSDGsと名付けられた目標です。

SDGsは、それまでの国際目標だったMDGs(ミレニアム開発目標)が期限を迎えたのを受け、MDGsを発展させた内容となっており、2016年から2030年までの15年間で目標を達成することを目指して各国が取り組んでいます。
 

〇SDGsの目標と内容一覧

SDGsはあらゆる分野について、17の目標と169のターゲットを定めています。
以下に目標をまとめましたのでご覧ください。
 
No. 目標 条文
1 貧困をなくそう あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2 飢餓をゼロに 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3 すべての人に健康と福祉を あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4 質の高い教育をみんなに すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5 ジェンダー平等を実現しよう ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る
6 安全な水とトイレを世界中に すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8 働きがいも経済成長も 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
9 産業と技術革新の基盤をつくろう 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
10 人や国の不平等をなくそう 各国内及び各国間の不平等を是正する
11 住み続けられるまちづくりを 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12 つくる責任 つかう責任 持続可能な生産消費形態を確保する
13 気候変動に具体的な対策を 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14 海の豊かさを守ろう 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15 陸の豊かさも守ろう 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16 平和と公正をすべての人に 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17 パートナーシップで目標を達成しよう 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

▼169のターゲットはコチラをチェック!
ノハム|SDGsの目標とターゲットまとめ!ロゴと共に紹介します

今回は17の目標の中から目標3にスポットを当ててご紹介します。
 

■SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』について

福祉
目標3は母子保健の増進と感染症の流行を阻止することをメインに、年齢・性別・国籍などを問わず、全ての人々が健康に寿命を全うするための福祉を確保することを目指すもの。

▼目標3に関する世界と日本の現状
農林水産省|目標3 : だれもが健康で幸せな生活を送れるようにしよう

目標3は、たばこの規制や交通事故の減少、妊産婦の安全確保など、先進国の日本に暮らしている私たちにも関係のある項目が定められています。
どのような項目があるのかはターゲットに明記されていまのでご覧ください。
 

〇目標3のターゲット一覧

No. 内容
3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
3.2 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスを全ての人々が利用できるようにする。
3.8 全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
3.9 2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
3.a 全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特に全ての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
3.c 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
3.d 全ての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
 

■企業による目標3取り組み事例

取り組み
目標3における企業の取り組み事例をご紹介します。
日本の企業がどのように世界の人々に健康と福祉を届けているのか見ていきましょう♪
 

〇ローソン

大手コンビニチェーンのローソンでは、「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」という企業理念を掲げており、その一環としてSDGsに取り組んでいます。

2019年3月からSDGs委員会を立ち上げ、原材料調達、製造、物流等など各部門の見直しをし、どのような取り組みがSDGs達成に繋がるのかを確認しました。また、合わせてステークホルダーとの意見交換を実施。

現代にあった「マチのほっとステーション」を目指しています。

▼ローソンの取り組み事例
LAWSON|私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。
 

〇雪印メグミルク

牛乳
雪印メグミルクでは、社内での検討と外部有識者との対話を実施するなかで、課題を見つけ出しCSR方針を決定、課題解決に向けての取り組みをしています。
 
CSRとは
CSRはcorporate social responsibilityの頭文字を取った言葉です。企業の社会的責任や社会貢献する事業活動のことを指して使用します。

雪印メグミルクの取り組みのメインとなるのが、『Transformation & Renewal
「変革」、そして更なる「進化」へ』をテーマにしたプロジェクトである『ミルク
未来創造企業』で、メイン事業である乳製品を通して、消費者・酪農家・社員の生活をサポートすることを宣言しています。

▼雪印メグミルクの取り組み事例
雪印メグミルク|CSR方針及びCSR重要課題(マテリアリティ)
 

〇日本ハム

「人輝く、食の未来」の実現のために5つの重要課題を設定し、CSR、SDGsの目標達成のための取り組みを実施しています。
 
日本ハムが掲げる5つの重要課題
  1. 安全・安心な食品づくり
  2. 食とスポーツで心と体の元気を応援
  3. 従業員が生き生きと活躍できる職場
  4. 将来世代の食の確保
  5. 地球環境の保全

スポーツ事業と食品事業の2つの柱を持つ同社は、食育やスポーツのイベントを通しての健康作りの大切さを伝える活動も!

▼日本ハムの活動を詳しく
Nipponham|サスティナビリティ 「人輝く、食の未来」の実現に向けて「食べる喜び」をお届けします
 

〇ヤクルト

安心安全で栄養価も高く、安価な製品の研究開発を通してSDGs活動に取り組んでいます。
ヤクルトの取り組みは、第2回「ジャパンSDGsアワード」における特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞するなど、高い評価を獲得しています。

▼ヤクルトの取り組みを詳しく
Yakult|ヤクルトのCSR・トップコミットメント
 

〇日本電気株式会社(NEC)

給食
NECでは子供の健康状態を改善するため、海外の公立学校への給食支援を実施。
合わせて幼児指紋認証を導入し予防接種を推進する活動に取り組んでいます。

世界には、ワクチン接種を受けられないために5歳の誕生日を迎える前に命を落としてしまう子供が150万人。また、予防接種を受けられない子供は約2000万人とされています。
本人確認を適切に行い、「どの子どもが」「どのワクチンを」「いつ接種したのか」といった履歴を管理するNECの支援は開発途上国を中心に多くの子供の命を助けています。

▼NECの取り組みを詳しく
NEC|SDGs達成に貢献するNECの取り組み
 

〇味の素

味の素グループは2009年7月に国連グローバル・コンパクト(UNGC)に参加を表明。
 
国連グローバル・コンパクト(UNGC)とは
企業や団体が社会の良き一員としての行動をし、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みのこと。

UNGCに参加している味の素はSDGs活動にも参加。
保存性と栄養価が高く、安価な食品を開発し、世界規模で展開・普及させることを通して、開発途上国で弱者となり、栄養不足になりやすい女性や子供の栄養状態を改善するほか、健やかな成長に増進するための支援に取り組んでいます。

▼味の素の取り組みを詳しく
味の素グループ|SDGsってなに?味の素社の考えるSDGs
 

■SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』まとめ

SDGsに定められている17ある目標の中から目標3『すべての人に健康と福祉を』について、企業の取り組みをメインにご紹介しました。

【この記事でご紹介した内容】
  1. SDGsの基本的な情報
    ・SDGsが目指す未来の世界の形
    ・17の目標一覧
  2. SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』
    ・目標3ターゲット一覧
  3. SDGs目標3達成に貢献する日本の企業による取り組み事例
    ・ローソン
    ・雪印メグミルク
    ・日本ハム
    ・ヤクルト
    ・日本電気株式会社(NEC)
    ・味の素

健康と福祉は先進国では当たり前の権利ですが、開発途上国では満足な治療を受けられない人々がたくさんいます。

目標3のために私たちができることは以下のリンクにまとめているので、合わせてご覧いただき、今できる支援を考えてみていただけたら幸いです。

▼SDGs目標3のために私たちができること
ノハム|SDGsの目標3とは?意味や取り組みについて解説します

以上、『SDGsの健康に関わる目標3のための取り組みについて紹介します【日本編】』でした!