2020.11.18

SDGsのサスティナブルフードに関する取り組みを紹介します【日本編】

最近よくYouTubeなどの広告や、企業のポリシーでも注目されている言葉「サスティナブル」「SDGs」

目にしたことはあるけど、実際どんな意味なのか、「SDGs」とは何かについてを知っている方は少ないのではないでしょうか?

「サスティナブル」や「SDGs」は、実は私たちの今後生きていく上でとても大切な考え方なんですよ!
 

そこで今回は「SDGsとサスティナブルフードについて」ピックアップ☆

SDGsってなに?サスティナブルフードってなに?という方のために、さまざまな企業やレストランの取り組みを含めて詳しく解説していきます!

 

1SDGsとサスティナブルの関係


まずは、「サスティナブル」や「SDGs」について理解していきましょう。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味を持ちます。
英語をみて気づいた方も多いかもしれませんが、「サスティナブルとは持続可能な」という意味です。

まずは、「サスティナブル=持続可能な」ということを抑えておきましょう!
 

次に、「SDGs」がどのように“世界共通の目標”として決定したかをみていきましょう。

「SDGs」は、2015年9月の国連サミットで採択されました。
2030年までという期間を設けて、「SDGs」を世界共通の目標に掲げ、国連に参加している国全てが「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのが始まりです。

実は「SDGs」が採択される前は、“開発途上国向け”に「MDGs」という目標が掲げられていました。しかし、私たちがいま住んでいる日本は先進国です。
開発途上国ではないので、こちらの目標については自分たちのこととしての認識がありません。そういった考えが他の国でも一般化していたこともあって、MDGsは残念な結果に終わってしまいます。

そこで第三者として発展途上国の目標を支援するのではなく、先進国も全員が自分たちのこととして考えられる“持続可能な目標をみんなで目指そう”という考えが誕生します。

それが「SDGs」のはじまりです。

 

①持続可能な開発目標って具体的に何?

「SDGs」について理解できたところで、具体的にどのような達成目標が設けられているのかをみていきましょう

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

 気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

 海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する


このように大まかに分けて17項目の目標が掲げられています。
そしてその17項目は色相環のようなマークや、それぞれのマークが作られていて、企業のホームページなどで「サスティナブル」というページをみてみると、それぞれの企業がどの項目を達成するために取り組んでいるかがわかりますよ♪
 

②サスティナブルフードって?


SDGsでも出てきましたが、サスティナブルとは「持続可能な」という意味を表します。
それを踏まえた上で「サスティナブルフード」について考えていきましょう!


『サスティナブルフードとは、持続可能な食品』のこと。

持続可能な食品って聞いてもいまいちピンとこないですよね…
 

今私たちの食卓に並んでいる食材のほとんどが輸入していることはご存知ですか?
日本の農産業が衰退してきているのも問題ですが、私たちが口に含んでいる食べ物のほとんどが他国に頼っているということが問題です。

日本の身近な例で考えるのであれば、漁業がわかりやすいのではないでしょうか。

さんまなどの旬の魚は近年収穫量が減ってしまい、どんどん値段が高騰していますよね。そして収穫できなくなったからと養殖をしているところも増加しているのが現状。

つまり、充実している時に必要以上に捕獲し過ぎてしまいバランスを保てなくなってしまったがために、本来であればまだ私たちの食卓に並ぶはずだった魚も徐々に姿を見かけなくなっているんです。

そういった現状をふまえて、今後も将来を見据えて持続可能に食べられるように、環境や健康など…さまざまなことに配慮して作られている食べ物のことを「サスティナブルフード」といいます。

 

3 サスティナビリティの取り入れ方法は?

サスティナブルフードのメリットがなにかわかったところで、有名企業やレストラン業界がどのようにサスティナブルフードを取り入れているのかを実際に見ていきましょう

 

①有名企業の取り組み例

日本でも名前を聞いたことがある錚々たる有名企業でも、サスティナブルフードを取り入れるための取り組みを行っているんですよ。

 

たとえば、サントリーでは「水と共に生きる」というコンセプトのもと、水を中心にサスティナブルなものを提供できるように取り組んでいます。

 

他にも有名企業の取り組みについてまとめたので、気になる方は表のリンクから飛んでみてくださいね♪

 

企業名

取り組みや宣言

味の素

・Ajinomoto Group Shared Value(ASV)を掲げている

・詳細はこちらから

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/csr/asv/index.html

カゴメ

・環境活動について(地球温暖化防止、水の保全、生物多様性保全、廃棄物の削減と適正な管理、環境配慮型商品とシステムの研究・開発、その他環境保全活動)の報告を行なっている

・活動内容それぞれに関してはこちら

https://www.kagome.co.jp/company/csr/environment/activity/

ネスレ

・環境負荷をゼロにすることを目標に活動を行っている

・詳細はこちら

https://www.nestle.co.jp/research/environmental-sustainability

コカ・コーラ

・廃棄物ゼロに向けた取り組み

・詳細はこちらから

https://www.cocacola.co.jp/sustainability

サントリー

・水のサスティナビリティ

・詳細はこちら

https://www.suntory.co.jp/company/csr/activity/environment/management/sustainability/

キリン

・清涼飲料水の賞味期限の表示を変更

・詳細はこちら

https://www.kirinholdings.co.jp/news/2013/0225_01.html

富山県氷見市

・網に入る魚だけいただく漁業

・詳細はこちら

https://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035569.html

 

②レストランでは食に対する意識を変化するメニューの提供をしている

有名企業の他にも一般的なレストランでもサスティナブルフードを提供しているとして注目されているところもあります。

具体的には、

・経産牛の使用

・ノーズトゥテイル の2種類が注目されています。

それぞれどのようにサスティナブルなのか少し見ていきましょう。

 

◎経産牛の使用

一般的に出産を経験した牛はお肉も硬いということから、食用としてはあまり好まれません。

しかし最近では出産後にも適切に飼育し直した経産牛を使用することで、食材の無駄をなくすというサスティナブルフードを取り入れているところもあるんですよ。

味が濃くて食べ応えがあるのも特徴なので、サスティナブルフードを取り入れるレストランでは注目されている食材です。

 

◎ノーズトゥテイル

海外では以前から注目されている食べ方の『ノーズトゥテイル』

牛を丸々1頭買って、食材を余すところなく調理するといった方法のことです。

希少部位のために廃棄されてしまう食材も、丸々一頭購入することで廃棄もされず、さらにお店側のコストもダウンできるというメリットがあります。

以上のようなサスティナブルフードについてもっと知りたい方はこちらのサイトがおすすめ☆

知らないと恥ずかしい、食のサステナビリティ

実際にレストランでどのようにサスティナブルフードが提供されているのか、写真も見て知ることができますよ。お店の紹介や、シェフの言葉も載っているので、サスティナブルフードをどのように取り入れるか悩んでいるという経営者の方にも役に立つサイトです。

 

④大手ハンバーガーショップでもノンミートでサスティナブルに

モスバーガーも採用 代替肉普及のカギは「フレキシタリアン」

こちらのサイトでも紹介されているとおり、モスバーガーではノンミートでサスティナブルなフードが提供されています。

ハンバーガーはジャンクフードという概念を取っ払い、ハンバーガーはサスティナブルフードと呼ばれるように工夫がされています。

他にも家具の販売などで馴染みのあるイケアでもベジタリアンドッグを提供していたり、さまざまな企業がノンミートなサスティナブルフードを提供するという取り組みを行なっているんですよ。

また、先ほど紹介したサイトでは取り組みに至るまでの想いやきっかけについても紹介しているので、どうやってノンミートを導入したのか、どのような効果があるのか、SDGsとはどう関わりがあるのか…などが気になる方は参考にしてみてくださいね。

 

4サスティナブルフードとSDGsの関係についてのまとめ


いかがでしたか?

食という私たちが暮らす上で切っても切り離せないものです。

将来も美味しく食事を続けるためにも、持続可能な食材であるサスティナブルフードを利用するというのもSDGs目標達成のためには大切なこと。
 

企業や飲食業界も少しずつではありますが、SDGsの目標達成のために様々な取り組みをしています。
しかし、私たち一人ひとりが意識をしないいけません。
 

ノンミートなどの代替肉は食べたことがないという方は、今回紹介したチェーン店などで販売しているノンミートバーガーからチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

ひとりひとりが少しずつ意識してサスティナブルフードを取り入れることで、SDGsの目標達成率もきっと変化するはずですよ。

 

《参考サイト》

【国際】食品消費財サステナビリティ調達優良企業はわずか22社。日本からは花王。WWF調査

肉好きには知っておいてほしい、新肉ブーム「ノーズ トゥ テール」