2021.02.12

サスティナブル・レストランの評価基準を満たした店舗を紹介!【海外編】

テレビや広告でもよく目にする「サスティナブル」や「SDGs」

そんな「サスティナブル」という言葉はレストラン業界でも最近注目されています。

 

そこで今回は【サスティナブルレストラン】についてピックアップ!

「SDGsとサスティナブルレストランについて」「サスティナブルレストランの基準」「海外で注目されているサスティナブルレストラン」についてご紹介いたします★

 

1まずは「SDGs」と「サスティナブル」という言葉の整理をしておこう!

はじめてSDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いた方もいらっしゃいますよね。

こちらは英語の「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」という意味です。

 

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標で、2030年までの目標として国連に参加している国が各々この「SDGs」を達成するために頑張りましょう!というのが始まり。

あくまでも目標でゴールを目指しているので、読み方は「エスディージーズ」

 

そんなSDGsの中でも登場しているのが「サスティナブル」という言葉です。

サスティナブルとは、持続可能なという意味。

 

つまり、サスティナブルレストランとは「今後も持続可能な食をいただけるレストラン」ということになります。

具体的にはSDGsの内容に配慮したものが多いので、ここでは実際にSDGsの内容がどのようなものかを少しみていきましょう!

 

①SDGの目標は全部で17項目ある

SDGsでは「誰も置き去りにしない」世界を目指して大きく17の目標が設置されています。

 

No

主題

副題

1

貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2

飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3

すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4

質の高い教育をみんなに

 

すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5

ジェンダーを平等に実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

6

安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8

働きがいも 経済効果も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9

産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10

人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する

11

住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

12

つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する

13

気候変動に具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14

海の豊かさを守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15

陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16

平和と構成をすべての人に

持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17

パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

このように大きく分けて17の目標があります。

こちらは各テーマとして17項目挙げられていますが、実際はさらに分けられていて169項目あります。

そんな17個の目標に配慮したレストランが「サスティナブルレストラン」とよばれています。

 

2「SDGs」とサスティナブルレストランについて

それではSDGsやサスティナブルレストランについて理解したところで、サスティナブルレストランの基準について考えていきましょう。

 

基本的には「具体的にコレをしたからサスティナブルレストランだ!」という明確な基準はありません。

 

・SDGsの項目について独自に取り組んでいること

・サスティナブルレストラン協会と提携していること

・サスティナブルレストランの倫理的問題を探究するイベントなどに参加して取り組みを発表していること

 

などなど…

そのレストランによって取り組みはさまざまなんです!

 

しかし、それでは「サスティナブルレストラン」って具体的に何をしているのかというのが掴めないですよね。

 

そこで多くのサスティナブルレストランが取り入れている取り組みについて少し考えていきましょう。

 

食品ロスの削減に取り組んでいる

レストランでどうしても出てしまうもの。それは「食品ロス」

食品ロスとは、まだ食べられる食材を廃棄してしまうことをいいます。

 

食べ残しや、食材の過度な廃棄はとてもじゃないですがサスティナブルとはいえません。

今回紹介する店舗の中には、この食品ロス問題に取り組んでいるところがほとんど。

 

そんな食品ロスの問題を削減するために、お肉料理を提供するレストランでは「ノーズ・トゥ・テール」という食材の提供をするところもあります。

お肉を余すことなく提供することで調理過程での、食品ロスを削減しようという取り組みです。

 

また、食品ロスはSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」でも触れられています。

食品ロスに取り組むということはSDGsの目標達成のためにも貢献しているので、サスティナブルレストランだと一般的にはいわれています。

SDGs12「つくる責任 つかう責任」

No

ターゲット

1

開発途上国の開発状況や能力を勘定しつつ、持続可能な小人生産に関する計画から10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。

2

2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

3

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

4

2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

5

2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

6

特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

7

国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。

8

2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

a

開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。

b

雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

c

開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

 

サスティナブルフードやサスティナブルシーフードを利用している


サスティナブルフードとは、私たちの今後の食事を持続可能にするために、さまざまなことに配慮し作られている食べ物のことを指します。

たとえば、生産過程での過剰な肥料を減らして環境保護を考えて作られて食材のことです。

 

サスティナブルシーフードとは、水産資源や環境に配慮し適切に管理された漁業で獲られた水産物のことを指します。

サスティナブルシーフードは公認されているものだけになるので、養殖魚だからとすべてがサスティナブルシーフードになるわけではありません。

環境や社会への影響を最小限に育てられた水産物は、持続的に将来も水産物が食べられるように取り組まれたものがサスティナブルシーフードと呼ばれているんですよ。

そういったサスティナブルフードやサスティナブルシーフードを利用しているレストランもサスティナブルレストランとして注目されているんですよ♪

 

3おすすめのサスティナブルレストラン《海外編》

それでは実際に海外にあるサスティナブルレストランについて目を向けてみましょう。

 

イタリアにあるお店「St.Hubertus(ザンクス・ウベルトゥス)」


こちらのお店では輸入食品を完全に排除し、南チロル地方特産の食材を提供しています。

地産地消の食材を提供し、食品ロスを削減するために取り組んでいるサスティナブルレストランとして注目されています。

 

タイにあるお店「Bo.lan(ボラン)」

アジア圏内ではどうしてもまだサスティナブルレストランが北欧と比較しても少ない印象ですが、タイにあるお店「Bo.lan」はアジアにあるサスティナブルレストランとして注目されています。

 

プラスチックボトルをなくすための洗浄作業や、ココナッツの廃棄物を炭に変えてグリルの火として利用、さらには残った灰を地球にやさしい洗剤のアルカリ水作りとして有効活用しています。

 

ほかにも、地元農家と一緒に「食の森」を作るために土着植物を栽培したり…など積極的に環境保護に取り組んでいるサスティナブルレストランです。

 

イギリスにあるお店「Native(ネイティブ)」

こちらのお店では鹿肉をはじめとする狩猟肉や、野菜を向いた皮、魚の皮などのいわゆる食品ロスとして廃棄されてしまう食材を使って独創的な料理を提供しています。

 

ノーズ・トゥ・テールとよばれる頭から尻尾まであますとこなく食べるというスタイルを取り入れており、動物肉のさまざまな部位が提供されるのが特徴です。

 

コロンビアにあるお店「Leo」

地元の農業を活性化して、コロンビアの多様な生態系をコンセプトにしたメニューを提供しているお店「Leo」

 

地元の農業を活性化し、食の伝統を復活させるという取り組みはこちらのお店ならでは。

淡水魚のピラルクや熱帯雨林さんのフィッシュアイ・チリなどをいただくことができます。

 

さらに食を通じて貧困問題を解決できるような取り組みも積極的に行われているため、レストラン経営者のレオノール・エスピノーサさんは活動を評価されて賞も受賞されているんですよ。

 

4たまにはサスティナブルレストランという選択肢を

いかがでしたか?

それでは今回のおさらいです。

 

「サスティナブルレストラン~海外編~」

・SDGsについて

・サスティナブルレストランの基準

・海外にあるサスティナブルレストラン

について紹介いたしました。

 

今回ご紹介したレストランは海外のものになりますが、日本にもいくつかのサスティナブルレストランがあります。

もしサスティナブルレストランがどのようなメニューを提供しているのか興味があれば、一度足を運んでみてもいいかもしれませんね♪

 

 

また、さらに詳しくサスティナブルレストランについて知りたい方はこちらもおすすめ!

サスティナビリティへ向けたトップシェフ達4人の試み

今回ご紹介したサスティナブルレストランを経営している方の活動や思いなどについてまとめられているサイトです。

サスティナブルレストランを開くきっかけなどもお話しされているので、今回紹介したレストランや経営者についてさらに詳しく知りたいという方はこちらからチェックしてみてくださいね★
 

《参考サイト》

Care’s(ケアーズ)

St.Hubertus(ザンクス・ウベルトゥス)

LEO

Native